台湾EC業界ニュース 04 ¦ 台湾のモール型ECサイトは双11に向かって、どう取り組んでいるのか ¦ 3,200文字
みなさん、こんにちは。台湾のEC情報を発信するペニーです🌼
前回は台湾最大級のモール型ECサイトについて簡単に紹介しました。
そして、その2サイトの8月の売上高の成長について分析してみました。その成長はコロナによる一時的な現象かと思われていますが、台湾の人々の消費行動は確実に変わっていきます。
家庭用品や服だけでなく、野菜やお肉など鮮度が命の商品も、ネットショッピングで買われるようになっていくと考えられます。
それでは、そのことは日本の企業とはどう関係していますか?
簡単に言うと、消費者はネットショッピングで冷蔵・冷凍が必要な食品を買うことに対して、抵抗感が段々薄くなっていきます。それと伴って、日本の冷蔵・冷凍食品を買う可能性も高くなります。
それだけでなく、旅行ができない今では、越境ECを支援する運営代行会社も積極的に越境パッケージを提供し始めています。海外販路に対してご興味があるなら、これを機にして、台湾のEC環境に関する知識を身につけておいて損はないと思っております。
さて、雑談はここまでにします。今回はまもなく来るあのイベントについて、各モール型ECサイトの戦略について分析してみます。
台湾のEC環境にご理解がある方なら、すでにそのイベントの正体を知っているかと思っております。お察しの通り、毎年の11月11日のあたりに開催される双11という買い物祭りとなります。
それでは、本題に入りましょう!
1-1. 双11買い物祭りに向けて:PChome
みなさん、双11とはなにか、ご存知でしょうか。
双11は元々中国の買い物祭りですが、その商業的な大成功を見て、台湾のモール型ECサイトをはじめとする企業は2015年にそれを倣って、コンサートと合わせる生配信セールを開催し始めました。
そのほか、Shopeeの台湾進出も双11を盛り上げさせてしまった理由と言われています。
また、中国と異なって、台湾のモール型ECサイトは沢山あって、群雄割拠の状態です。そのため、中国のように、少数のモール型ECサイトで大規模なイベントを立ち上げて、風潮を作ること自体が難しかったです。
その現象は2015年となって、中国の成功に見倣うことによって変わりました。
台湾のモール型ECサイトは群雄割拠の状態から一転し、手を組んで天下を取るという態勢に転じました。つまり、PChomeを含めて、台湾のモール型サイトは連携を取って、台湾版の双11買い物祭りを共催するようになりました。
それ以来、双11は台湾のEC企業にとって、10月の末頃から、11月11日の当日まではずっと商売合戦の期間です。
それでは、2021年の双11買い物祭りに向けて、台湾のモール型ECサイトはどのように取り組んでいるのでしょうか?まずは、PChomeの施策を確認しましょう。
PChomeのPR記事によると、PChomeの買い物祭りは10月25日からすでに始まったのです。買い物祭りのために、PChomeは500万種類以上の商品を集めています。今年はコロナの影響で、ネットショッピングを利用するようになった人が以前よりはるかに多くなりました。
PChomeの本部長によると、PChomeの利用者数はなんと!1,300万人を越えました。
つまり、全台湾で二人中一人がPChomeを使っています。
その中で、キャッシュレスでお支払いを済ませる人は9割を占めています。特に、26歳以下のZ世代の利用者は3割増しとなりました。ほかの年齢層と違うのは、Z世代の利用者は買い物体験を重視しています。
それに対して、55歳以上のオレンジ世代(オレンジ世代とは、樹の葉が季節と伴ってオレンジ色になるように、人生の秋に入る50代とのことです)は日常用品をまとめ買いする女性の購買力が特に高いと言われています。
オレンジ世代の中で、過去の一年以来、ネットショッピングに参入する利用者は4割増しとなりました。
消費者の消費習慣の改変と伴い、PChomeは沢山のマーケティングキャンペーンを行います。例えば、抽選で豪華賞品やプレゼント商品キャンペーンやお買い得の福袋が挙げられます。
(出典:PChome 2021年双11買い物祭りオフィシャルサイト)
オンラインでのキャンペーンだけでなく、オフラインのイベントも併せて行われます。消費者は華山1914文化創意産業園区で、PChomeのポップアップスタンドでゲームを遊べます。そのゲームでもらえるコインは後ほどオンラインのセールで使えます。
そのほか、PChomeは銀行とも業務提携しています。クレジットカード支払いで消費金額が一定を超えると、その一部が還元されます。例えば、「国泰世華銀行」のCubeカードで、11月11日にパスコンなどの電子製品を買うと、11%の金額が還元されます。
最後に、PChomeは毎晩生配信を開催します。有名なインディーズバンドや人気歌手はその生配信番組でライブコンサートを行います。コンサートが終わったら、ライブ販売会に回します。Youtubeチャンネル、FacebookファンページとLineで配信しますので、リーチが広いと予想されています。
以上をまとめると、双11買い物祭りは台湾のEC業界にとって、アマゾンプライムブラックフライデーのようなものです。戦況はとにかく激しいですよ。
1-2. 双11買い物祭りに向けて:MomoとYahoo
PChomeのほか、MomoとYahooも双11買い物祭りに向けて、多くのプロモーションキャンペーンを進めています。
ライブ配信は今の台湾ECにとって、すでに不可欠なイベントになりました。もちろん、Momoも、ライブ配信を行います。
PChomeと違うのは、Momoはフードデリバリーと動画サブスクリプションの企業とコラボレーション企画を行うことです。
(出典:Momo 2021年双11買い物祭りオフィシャルサイト)
Momoによると、ドミノ・ピザは11万点以上のピザを提供しています。そのほか、「鮮茶道」というタピオカ屋も人気商品のヘーゼルナッツラテを提供しています。動画サブスクリプションならYoutubeは3か月間無料トライアルのコードを用意しています。
前回の記事で言ったように、Momoは特に女性の支持度や利用率が高いです。今回の買い物祭りに向かって、Momoは2万社以上のブランドを集めています。その中で、特に、女性に人気なコスメティクスブランドやサプリメントランドが多数を占めています。抽選で当たるキャンペーンの賞品も女性が喜ぶものが多いです。
それに対し、Yahooショッピングは事前に市場調査に工夫しました。台湾は10月の初頃、5倍券を発行しました。
それと関係しているか、Yahooショッピングで、5倍券の検索回数が急上昇で、以前の4倍となりました。それだけでなく、商品をカートに加える消費者が多くなり、カートに追加する頻度も上がりました。
Yahooショッピングはライブ配信をしませんが、ラインとコラボレーション企画とします。双11買い物祭りの期間中、Yahooショッピングで消費金額が一定を超えると、ラインタクシー一年間割引額で乗車可能のクーポン券がもらえます。ホワイトカラーの社会人にとってお得です。
お気づきになりましたのでしょね。
台湾の双11買い物祭りはオンラインショッピングだけでなく、オフラインの消費体験も重視しています。
これは近年、台湾のEC業界で、特に提唱されているOMOおよび異業種コラボと関係しています。何故なら、OMOおよび異業種コラボは前述した、手を組んで天下を取ることに特に効果的ですから。
まとめ
みなさん、いかがでしょうか?
この記事は双11買い物祭りに向かって、台湾のモール型ECサイトの施策をまとめて分析してみました。そして、結論として、台湾のモール型ECサイトの共通する施策方針を、OMOおよび異業種コラボに結び付けました。
EC業界の発達はオフラインの衰退を意味することではなく、むしろ、小売業をさらなる発展していく機会と可能性を示しました。
私が働いている会社、サイバービズは台湾における多くのブランドにお手伝いをして、OMOの推進を成功させました。そして、商戦が激しくなると予想されている双11買い物祭りに向かって、サイバービズもできるだけ、ECサイトのサーバー強化、クラウド型物流管理システムのデジタル作業で、EC業者にご支援します。
私も結構双11買い物祭りのことで、一生懸命頑張る途中です。落ち着いたら、またこの業界に対する観察を記事化してみて、皆さんと共有します。
今回も、ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。それでは、また次回でお会いましょう!
プロフィール
名前:ペニー(Penny)
職業:マーケティングコンサルタント/ライター
会社:サイバービズ(Cyberbiz)
連絡先
メールアドレス:komi.hu@cyberbiz.io
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