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平仮名連綿で大切な10のこと

連綿とはつづけ字のことです。

例えば上の作品の一行目「して」や二行目の「され」などが連綿です。

こういった連綿において、大切な10のことを書きます。

以下に書くことは、私自身の考えになります。

平仮名連綿で大切な10のこと

①習い始めのうちは、手本で練習したものを使う

これは、私の先生から、強く念を押されていました。「自分の考えた連綿は使わないように。なんでもかんでも線でつなげば連綿になると思ってはいけないよ」と。

②連綿は多いほどいい、というものではない


手紙の通信文であれば、2字連綿くらいを、ぽつぽつ入れるくらいがちょうどいいのではないかと思います。連綿がうるさいと美しく見えないです。

だからといって、連綿を使わない方がいいというわけではないです。効果的に使う方がいいということです。

例えば硬筆書写検定1級や準1級などでは、連綿なしでは上級者の風格が出にくくなりますし、ちゃんと連綿も書けるぞというのを出した方がいいと思います。

それなりに練習してきているのですから、連綿を書きたくなる、くらいに実力をもっていくのが理想。

ただ、やはり、多いほどいいというものではないので、連綿のオンパレードになって悪目立ちしないように気をつけましょう。

また、同じ文字の同じ連綿を、一つの中で多用すると、くどくなります。

例えば、「ます」というのが一つの文章の中に3回出てくるとして、全く同じ字形で同じ連綿で「ます」を書くと、くどくなります。私自身、無意識にやってしまいます……。

一つは連綿せずに切る、などすると、それだけで変化が出て印象がよくなります。

③連綿には、相性がある

連綿をするのに、相性のよい字、というものがあります。

つまり、連綿しやすいものとしにくいものがあります。相性の悪いもの(しにくいもの)を無理にくっつけようとすると、美しくありません。これも、手本を参考に、少しずつ覚えていくのがいいかと思います。


④よどむ連綿に気をつける

③に関連しますが、よどむ連綿は多用しない方がいいです。

字の書き終わりが右端で終わる字(例えば「か」など)から、字の書き始めが左端から始まる字(例えば「い」)につなげると、右から左に長い横線が走ります。

例えば「かい」をつなげると、右から左に長い横線が走ります。

こういう連綿を多用すると、目立ちます。

「端から端に書く横線は作品がよどむ連綿だ」と教えてもらったことがあります。

また、そういう連綿は、書き方によっては連綿がしんどそうにも見えます。


意図的に用いるのはもちろん良いですが、あまり何も考えず、上のような連綿を多用することは、避けるのが無難かと思います。

硬筆書写検定の過去問添削でも、これまでかなりたくさんの事例がありました。無理な連綿(しんどそうに見える連綿)は悪目立ちしてしまいます。

⑤読みやすさを考える

いくら連綿しやすい文字が前後にあっても、それを続けることによって、読みにくくなっては元も子もありません。ちょっとした意味の切れ目や、読むときのリズムを考えて、連綿します。

例えば「お待ちしております」という文があった場合、「お待ち、して、おります」というリズムで分けることができます。ですから、2字連綿にする場合、「して」「おり」「ます」はそれぞれ連綿にしても、読みにくくなることはありませんが、「ちし」「てお」で連綿すると、読みづらくなります。



⑥連綿線が切れないようにする

これは色々な考えがあるかと思いますし、色々な手本があるので正解不正解ではなく、感覚というか好みの問題でもありますが、連綿をするなら連綿する、連綿しないなら連綿しないと決めて、途中で切れてしまうのはあまりきれいではないかと私は思っています。

⑦リズム命

リズム良く書くためには、止まる場所、ゆっくり運筆するところをしっかりと把握しておくと良いです。ちなみに、これには法則があります。

連綿に限らず、どこで止まるか、というのは大変大事です。


⑧字の大小をよく見る


⑨中心をよく把握する

連綿の練習を始めてするときには、中心線の入ったもので練習されるといいです。

手本にも中心線を入れて、二文字目がどこに来ているのかよく確かめましょう。

例えば、「から」の連綿では、「ら」は中心に書くよりも、わずかに右寄りに書く方がきれいです。


⑩漢字の楷書には合わない

合わせる漢字は行書か草書が合います。

番外編①

平仮名の連綿は、平仮名単体を練習してから練習されるのが良いと思います。

番外編②

平仮名の連綿は、1mmの違いが大きな違和感を生むことがあります。できるだけ手本の書きぶりに近づけて書けるように練習してみてください。

ぜひ、以下の手本を練習にご活用ください。また、添削もご利用ください。添削のお申込みは penjishodo@gmail.com まで。

中心線を入れて、場所を分かりやすくしている連綿手本です。どこで止まるかのガイドも入れています。

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