[PHASE]ー2|半オンライン・半リアルの展示会形式
さて、AP品川で開催された[PHASE]‐2での「半オンライン・半リアル」の形式について、こちらでまとめておきましょう。
出展者のいない展示会。今回の[PHASE]第2回では、第1回と同じく「半オンライン・半リアル」の形式を取っています。つまり、出展者は各地域・各企業でそのまま待機し、ZOOM等によってオンラインで接続、会場では商品のみが陳列されています。全24社の出展者のうち、1社のみ「常時接続」とし、他の出展者については、自社で待機し、必要に応じて接続する「随時接続」形式としました。
半オンライン・半リアルの「2つのオンライン形式」
半オンライン・半リアルの展示会形式では主に2つのオンライン形式があります。
1.常時接続:展示会会期中、常に接続し続ける方式
2.随時接続:商談の必要がある時のみ接続する方式
これらの形式には一長一短があり、どちらがよい、というものではないと考えます。常時接続は常につながっており、気軽に出展者と来場者が会話できる反面、「一度行った展示台にもう一度行きにくい」というデメリットもあります。この場合、通常の展示会と同じく「出展者の待機方法」が重要になってきます。また、随時接続方式では、来場者にとって気軽に展示台を見れる反面、「こんな簡単なことを聞くために、ZOOMをつなげていいんだろうか」「ZOOMのボタンを押すのに勇気がいる」といった意見が見られます。これらに対処するためには、会場に少数でもアテンダーを設けることで、ZOOM等のオンラインにつなげるためのフォローを行う、ということも効果的です。
「随時接続」と「常時接続」の使い分け
今回の[PHASE]‐2では、前回の[PHASE]‐1の結果からほぼ全てを「随時接続」にしました。しかし、結果的に私自身が感じたことは、「今回は可能であれば全ての出展者を常時接続にしておいた方がよかった」という感想です。常時接続と随時接続をどう使い分けるかについては、実際には出展者の状況によってくるかと思いますが、概ね以下のように考えるとよいのでは、と感じています。
つまり、来場者が一般客である「BtoC」イベントであれば常時接続。明確な商談などが発生し、厳密な商品選定などの状況が出てくる「BtoC」展示会であれば随時接続。と言った方向性でしょうか。厳密には状況によって使い分ける必要がありますが、会話の発生頻度などによって使い分けるとよいのでは、と思います。今回の[PHASE]‐2では、来場者は主に一般の方が多かったので、「気軽に会話ができる」という観点から「常時接続」の方がよかったと感じた次第です。
半オンライン・半リアル展示会形式の注意点
上記の他、今回のような「半オンライン・半リアル」の展示会では、開催に当たって注意しなければいけない点があります。その一つが「出展者の出展満足度」です。もしくは、「出展した感」「実感」と言ったところでしょうか。会場にいると分からないのですが、出展者にとっては、展示会場に商品を送って対応したいるのみ。もし会話もあまり発生せず、実質的な引き合いもなければ「自分は本当に出展したのだろうか」といった「実感」が薄くなってしまいます。ですので、出展者がいかに「実感」を得ることができるのか。半オンライン・半リアルの展示会の開催を企画する際には、注意して計画しなければいけません。
「出展者」目線を考えることの重要性
また、出展者にとっては、オンラインで繋がっているとは言え、「視界」は自分の展示台上のタブレットのカメラから見える範囲のみ。会場全体は見ることができません。今、会場にはどの程度人がいるのか。休憩してもよいのか。いつ声を掛ければよいのか。出展者にとっては、タブレットに映っている状況が全ての「視界」になってしまいます。ですので、例えば各出展者のタブレットだけでなく、会場全体を俯瞰的に見ることができる別のカメラを準備する、タブレットの位置を工夫するなどの「出展者目線」への配慮が必要です。
出展者にとっては、会場にある展示台がどのように商品が並べられているのか。どんな商品を来場者が見ているのかが、分かりにくい状況にあります。会場にいると、どうしてもこのことが見落としがちなのですが、計画に当たっては「出展者目線」になることがとても重要です。
では、次に今回の[PHASE]‐2において、もう1点、お伝えしたかったこと。「展示会技術」の可能性についてお伝えします。
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