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イギリスの左上の無人の島の話

あらすじで無人島と見ると、途端に面白そうと感じます。

誰もいない島に漂流し、衣食住がない非日常でどう生きていくのか?
最後はどうなるのか?
脱出するのかそれとも何か別の展開があるのか?
脱出できるならどういう方法で?

などなど、無人島にたどり着いてしまった時点で、もう色々と想像が浮かび、そのどれもが面白そうな味付けです。

『世界のはての少年』は、そんな無人島モノで、毎夜読み進めています。
この無人島モノの少し変わっているのは、漂流して無人島へ辿り着いたわけではないところです。

小説内で「戦士の島」と呼ばれる海鳥が停泊する岩だらけの島があります。
この島に、鳥を収穫するためにやってきた少年たち。一週間ほどで戻る予定が、迎えの船が来ないので帰れなくなってしまう。
なので、最初は余り焦燥感はなく「まぁ遅れてるだけで、そのうち迎えに来るだろう」という空気なのですが、徐々にそうでもないことに気づき始めるのがちょっとホラーです。

実際にある島が舞台で、イギリスの北西にある小さな島。

無人島もののストーリーの軸は、「どう生き残っていくのか?というサバイバル感」と「切り離されて閉じ込められた空間での人間模様」がありますが、本書は人間模様が中心に描かれます。
食べ物は鳥がたくさんいますし、住む場所はもともと一週間は寝泊まりする予定の島なので、簡素ながら寝る場所がある。

島にいるのは、九人の少年と三人の大人。
少年の中にはまだ幼少の子もいて、その子たちが次々に騒ぎ出したり、ある少年が神父のまねごとを始めて変に信仰を煽ったり、少年より大人の方が先に精神的に病んでしまったり。
登場人物の紹介をほぼ無いまま進んでいくので、最初は区別がつきづらいですが、徐々に人間模様を通してキャラクターが見えてきます。

全然雰囲気は違いますが、switchで遊んだ『スターデューバレー』を思い出しました。
これは主人公が都会から移り住んだ村で、最初に十人以上の村人に会うのですが、最初は全然キャラクターの個性が分からないのに、ゲームを進めていくとどんどん理解できてきて、面白くなっていく。
この感覚が読んでいる時、思い出しました。


もう少しで読み終わりそうな『世界のはての少年』
最後は脱出するのか?
それとも何か別の終わり方をするのか?
楽しみです。


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