4年前の8月31日
毎年、8月31日に思うお題が出て、書くのを悩む。でも、今はもうとんでもないことも起きているので、学校がらみなどで悩む親御さんや子供さんに読んでもらえればいいなぁと思います。
4年前の今日、8月31日の今頃は、当時小6だった娘を病院に連れていき、順番待ちをしていました。
4年前から、私たちが住む市の小中学校では8月下旬から2学期としていました。暑い中、小6の子供達は秋の組み立て体操の練習を始めていて、当時の組み立て体操は巨大タワーなど危険技が横行していた時期でした。
8月30日。娘は練習中に転落しました。娘の話とその後の聞き取り調査で、「首が痛いよ。痛い」と訴えているのに、すぐに病院に連れて行かずに休憩の為のテントで放置。
家に着いてから、練習での話を聞きました。ちょうど木曜日で午後休診の病院ばかり。仕方なく湿布を貼って、4年前の今日、学校を休ませて病院へいきました。
検査などの結果は「むちうち」と診断され、学校内のケガだから保険などの請求に必要だろうと診断書を書いてもらい、コルセットをつける生活を始めました。診断書は「1ヶ月間の運動禁止」と書いていただいています。
学校にも連絡をし、翌日には担任に直接お会いして、診断書を渡してコルセットのことや、運動会に参加できないことを話しました。
◇
それから、10月末までの間は、私は娘が「いじめ」にあっていることに気づかずでした。中学受験をする予定でしたが、学年担当の先生からも「笑顔が消えてるし、成績がかなり落ちているんですけれど、何かありましたか?」と聞かれ、様子を見ていました。
そして、10月末日。過呼吸発作を起こして、ようやくクラスメイトの友達以外の生徒からいじめを受けていると話してくれました。
娘から順番に話を聞いていき、まとめたことを、翌日学校長と担任に話をしていきました。その日から、学校は登校させず「いじめの調査をして、解決できるまでは通わせない」と担任に伝えました。
毎日私の携帯に担任から「お母さんはどう解決したいんですか?」と電話が入り、まともに解決できないのではと。
そこへ学校でいじめなどの問題専門を担当する先生が、調査に出てくれて、家にも聞き取りにきてくれました。
調査結果は、
組み立て体操の練習でしんどいのに、あいつは休んでいる。ずるい。コルセットなんか嘘やろ。コルセットつけていても、組み立て体操できるやん。だから、痛めつけてやろう。
と一部のいじめグループのが仕組んだいじめで、コルセットをつけたままの状態で首をひっぱろうとしたり、悪口・暴言を浴びせ、体操服に着替えさせようともしたと。
友達が幸い助けてくれて、大事にはならなかったけれど、せめてそういうことがあったことを友達も教えて欲しかったし、悔しくて泣きました。調査結果が出ても、いじめた生徒達は、一切謝りにきていません。
中学受験は、内申書が不要で一度見学したことがあって、気に入った学校で成績でも十分合格できる学校に変更し、合格しました。
気持ちが落ち着いてから、久しぶりに登校したけれど「気分が悪い。帰りたい」といい、特別室通学をしました。
なぜ、いじめられた生徒が隔離されなければいけないのか?それが理解できませんでした。いじめた生徒が隔離のはずなのに。
◇
卒業式は本人の希望で出席拒否をしましたが、今まで一番ひどいいじめだということから、一部の先生と調査を担当してくれた先生の配慮で、卒業式前日に証書授与式をしてくれました。
調査をしてくれた先生は「申し訳ない、申し訳ない」と泣きながら謝ってくれたけれど、もう終わったことだし、新たな学校生活で今までの嫌だったことを忘れようと親子で決めていました。
さて、私立中高一貫校へ入学してから。明るい性格になって、高等部へあがってから、忙しくしています。
一見私立の学校は、富裕層家庭ばかりで、何も苦労していないのではという方はいるかと思います。
実際はというと、「いじめ」が原因で公立中学を逃れたくて中学受験をしている子は多くいます。
だから、いじめを経験した子が多いクラスは争い事を嫌うし、話し合いをきちんとする傾向はあります。
「いじめられたら、逃げればいい」。それも一理あります。
しかし、私の経験上、逃げ道をどう作り、今後の道を作ってあげるお手伝いをすることを忘れてはならないのです。
今の日本では、大人もこの手の「いじめ」があるようで、大人が大人をいじめる世界があるから、子供も「こいつなら何をしてもいいよな」っていう構図が生まれて、負の連鎖を起こすのかと思うのです。
いじめられた方が「なんでやねん!」と真正面から反論をしても、今の日本では何も効果はないです。
逃げるけれど、正しい逃げ方で新しい道を広げてあげることが大事なのではないでしょうか?
今、ドラマ「半沢直樹」の視聴率が高く、「倍返し」「恩と感謝」といった言葉が登場しますが、意地汚いことに対して、ばっさりと切るのは痛快と感じるのは、おそらく「正しいことが通らない。でもドラマの世界では正義は通って欲しい」と願う人が多いからでしょう。
子供さんへ。どうかいじめられて苦しんでいても、絶対ご両親に助けを出して欲しい。絶対に守るから。
そして、ご両親は子供さんの持ち物に傷みがある、物が無くなっている、体に傷がある、笑顔がない、返事がないなどの異変があれば、すぐに子供さんとお話をして欲しいのです。
子供さんは絶対に自分から「いじめられている」「学校が怖い」とはいいません。
しかし、理性を保ちながら、話を進めなければならないということもお忘れなく。