『仕事だいじょうぶの本』をテキストに職員研修ー明石市内の幼保連携認定こども園
『仕事だいじょうぶの本 職場の人と安心してコミュニケーションできるSSTレッスンBOOK』(北岡祐子・著、ペンコム・刊)をテキストに働くためのコミュニケーション研修を行っている企業、事業所、高校・大学が増えてきました。
また、日本福祉大 青木聖久教授の「職場において精神・発達 障害者と共に働くことの意味と意義、さらには、実践的な方法等について学ぶことを目的とする」授業では、「精神・発達障害がある人が働くにあたって役立つ、同時に、精神・発達障害がある人がと働くにあたって役立つ」として、『仕事だいじょうぶの本』が課題図書に選書されています。
そんななか、明石市初の幼保連携認定こども園「みつばこども園」(神尾由美園長=明石市大久保町)では、2022年4月1日、『仕事だいじょうぶの本−職場の人と安心してコミュニケーションできるSSTレッスンBOOK』 をテキストに全職員(保育教諭 、給食、事務スタッフ)20人が参加して研修会が行われました。
研修の内容について、園長の神尾由美さんにお話をうかがいました。
保育現場に必須のコミュニケーション。研修テキストがなく困っていましたが、一人でも、みんな一緒でも仕事で役立つコミュニケーション練習ができる本とあり、『これだ!』と思いました。
編集「このたびは小社の『仕事だいじょうぶの本』をテキストに選書いただき有り難うございます。さっそくですが、どのような経緯でこの本を?」
神尾先生「みつばこども園では、全員参加の職員研修は年に2回行っていて、特に4月は、新しく入ってこられた先生やスタッフと先輩が良いコミュニケーションがとれるような研修を行っているんです。
いつも参考になるテキストに困っていたのですが、『仕事だいじょうぶの本』は一人でも、みんな一緒でも仕事で役立つコミュニケーション練習ができる本とあり、『これだ!』と思いました。
保育の現場では、新しく入ってきた先生も保育担当になりますから、特にコミュニケーションは重要で、保護者のみなさんに安心してもらったり、良い気持ちになってもらえたりするような、あいさつや会話ができるかということはとても大事になります。」
編集「確かに、保護者の皆さんも4月のころは、子どもを預けるのに不安がいっぱいですよね」
神尾先生「そうそう。この本では1番最初にあいさつ練習が載っていて、まずは『相手の顔を見る』『明るい声で』『笑顔で』『会釈をつける』とあります。
この基本的なことだけで、まずはOKなんです。
ところが、これを先輩が言うと、新人さん達は萎縮してしまって身につかないんですよ。」
編集「確かに。」
神尾先生「電話応対の方法も載っていますね。これは助かります。最近は、家の電話に出るという機会がない子も多いんです。ですから、園にかかってきた電話にどう対応したらよいのか分からない。これも、『仕事だいじょうぶの本』には、手順と練習方法が具体的に載っていて助かります。
先日まで学生さんだったわけですから、本当に『仕事大丈夫?』って思う場面があるのはあたりまえで、本のタイトルもぴったりだと思いました。」
編集「研修は、具体的にどういう手順で行ったのですか」
神尾先生「電話応対やあいさつ、接遇など、職場や保護者との応対で今すぐ役立つコミュニケーションの練習を中心に行いました。
事前にまず読んできてもらい、当日は、①まず自分で読む ②みんなで読む ③新人さんと先輩に分かれてテキストの練習に沿って声に出してやってみる ④グループワークで再確認、の順です。
特に、新しく入った先生に上の立場の先生がどう接していくかなどを確認しました。
グループワークで実際に練習していったんですが、これまでは、このようにまとまっている教科書がなかったのでとても助かりました。身だしなみなどまで載っていて。」
編集「はい。めちゃめちゃ細かい所まで載せています(^^;) 参加された先生方の感想はどうでしたか?」
神尾先生「例えば、断り方のところ、先輩からの飲み会の誘いなどの断り方など、みんなが『これ欲しかった!』というところまで載っていて、しかもとても役立つと好評でした。
持っているだけでいざという時にとても役立つし、ここに書いてあることは、みんなわかっていることなんですが、改めて読んでみて、それを実行するか実行しないか、やるかやらないかと言うことで大きく違ってくるのだということも皆で再確認しました。
どこからでも読んで面白いです。「クッション言葉」というのがあるのですが、これも役に立つという声も多かったです。」
編集「実際に現場で活かせていますか」
神尾先生「この本はとっても役に立ちました。必要だと思いました。特に新しく入ってきた先生におすすめですね。いろいろな世代の人が、これを読み学べるところがたくさんあります。どこからでも自分が関心のあるところから読めることができるのが、特にいいと思います。」
編集「ありがとうございました!」
「みつばこども園」
https://mitsuba-kodomoen.jp/
明石市初の幼保連携認定こども園
幼保連携型認定こども園とは、認定こども園のうちでも、保育所の良さと幼稚園の良さのいずれも同等に重視する就学前の子どもの居場所です。
保育所保育指針と幼稚園教育要領の整合性を図りながら、年齢に応じた子どもへの働きかけや環境の設定・構成に留意するとともに、小学校教育との円滑な接続も視野に入れた新しいタイプの施設です。