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ゲームな心理学〜ゲームの心理学的メリット編〜

こんにちは、ペンシルです✍️

ペンシルの研究開発部門であるヒューマナライズマーケティング研究室特殊研究機関『is』主任研究員の高木と申します。 様々なアプローチで心理学の研究しており、AI、メタバース、ゲーミフィケーション、アニメから妖怪に至るまで幅広くそして面白く研究領域を定めております。

ペンシルがお送りするゲーム尽くしの1ヶ月。ゲーミフィケーションmonth

その目玉企画である、ペンシルオリジナルゲーム
『ポコポコあどぺんちゃー 芯の勇者ペンタ』は
もう遊んでいただけましたか?

すでに遊んでいただいた方は是非、Xなどにシェアしていただけると
嬉しいです!
まだの方はぜひ遊んでみてください!↓

(やたら動いているところからゲームの扉が開かれます…!)

さて、今回は
そもそもゲームって心理学的にどうなの?
ってところに切り込んでいきます。
ひと昔前は悪影響と言われたり、かと思えば脳トレがはやったり
今ではeスポーツとしての広まりや動画配信プラットフォームでのゲーム配信が人気を博していたり。
そんなゲームは心理学の立場からみたら結局、味方なのか悪者なのか、
本日はそんなお話。


ゲームの心理学的メリット

ゲームと脳
ゲームをプレイすることは、
人間の脳にどういった影響を及ぼすと思いますか?
昔から言われているように悪影響?それとも実はメリットがある?

カタルーニャ大学の研究によると
ゲームをプレイすることによって、海馬(記憶と学習に関係するエリア)が大きくなることが示されました。

また、シャリテ大学の研究では「スーパーマリオ64」を1日30分ずつプレイすることで、海馬、前頭前皮質、小脳のサイズが大きくなったと
報告されています。

加えてロンドン大学の研究によると
意思決定のスピードや記憶力、思考の柔軟性などの脳の働きが改善したと
報告されています。

これらの研究によりゲームをプレイすることは、
意思決定や学習、記憶、理性などに関係する脳のエリアの構造と機能が
変わる可能性があるのです!

ゲームと能力
ゲームをプレイすることで、脳の構造が変化することは明らかになりましたが、それは能力として還元されているのでしょうか?

カタルーニャ大学の研究によると、
ゲームをプレイすることによって、集中力と記憶力が向上し、
その集中力と注意力をキープする能力も向上していたことがわかりました。

また、中国電子科学技術大学の研究では、
数多の情報の中から特定のものに注意を向ける能力や空間的な視覚能力の
向上も認められています。

加えてアイオワ州立大学の研究では、
マインクラフトで遊ぶことで創造性がアップしたという報告もあります。

さらに、エジンバラ大学の研究では
デジタルゲームに限らず、アナログゲームでも認知能力が向上するという
報告がされています。

つまり、構造が変化した脳は実際のパフォーマンスにもプラスの影響を及ぼしているのです。
特にストレスフルな状況の中でも、目の前のことに意識を集中するスキルが向上するようです。これは、限られた認知リソースを分配するのがうまくなっているとも言えます。

ゲームと健康
脳の構造、パフォーマンスにもメリットを与えてくれるゲームですが、
健康に対する効果も認められています。

プリマス大学の研究では、
テトリスを3分遊ぶだけでも24%も食欲などの渇望を減らすことができ、
ダイエットにも効果があることが報告されています。

また、バース大学やカリフォルニア大学などの研究で
テトリスなどのゲームをプレイすることで、ネガティブ感情から意識を
逸らし、目の前のゲームに集中する状況を作り出すことができ、
ストレスや不安感を低減し活力を向上してくれるということが
わかっています。

つまり、ゲームはデジタル・アナログ問わず
多くのメリットをもたらしてくれるのです。

メリットを最大限受けるためのやるべきゲームの5要素

そんなゲームのメリットを最大限獲得するには、
どういったゲームを遊べばいいのか、
それも科学は解き明かしてくれています。

脳機能・能力アップを目指す場合

  • 謎解きや試行錯誤の要素がある

  • リアルタイムでの判断を要求される

  • 3D空間を動き回れる

という3つの要素があるゲームをプレイすることで、
ゲームの恩恵を得ることができます。

反対にストレス解消や不安解消、活力向上を目指す場合には

  • シンプルなルール

  • 難易度が少しずつ上がっていく

ゲームが向いていることが分かっています。
目的に合わせて、生活に取り入れるゲームを選んでみてください。

しかし薬だろうがなんだろうが何事もデメリットもある

とはいえ、何事もメリットだけではありません。
ゲームにもデメリットは存在します。

それは…

誘惑に弱くなる

です。

ゲームは脳の報酬系に働きかける刺激の強い行為です。
そのため、目の前の誘惑には弱くなってしまうのではないかという
研究もあります。結果として、ゲームばかりに、のめり込んでしまう状態が起きてしまうのです。

しかし、対策はもちろんあります。
目には目を。歯には歯を。ゲームにはゲームをということで
実は、ゲーミフィケーションを生活に取り入れることで
この誘惑に弱い状態にも打ち勝つことができるのです。

人間はもともと誘惑に弱い生き物です。
目の前の誘惑に打ち勝つことができるのは、
どんなに意志力が強い人でも50%ほどです。

そんな状況をゲーミフィケーションは打破することができるのです。
具体的なお話は次回の記事でご紹介しますのでお楽しみに!

ゲームのプレイのその先に

ここまで、ゲームは脳の構造をも変化させ、パフォーマンスを向上させ、
健康にもメリットがあることをご紹介してきました。

実はこれらのメリットは、
これから世界を生き抜くために必須のスキルとも言えるのです。

世界は今、この時も刻々と変化しています。
そんな世界では、私たちも少なからず変化することが求められます。
しかし、人はどんな小さな変化でも脳レベルで拒絶します。
そんな人間が変化の一歩目を踏み出すための方法は

「人は脳レベルで変化するという事実を知ること」です。

皆さんは、この記事を読み進める中で
ゲームを通して人が変化することを知ったと思います。
それが一歩目です。

また、AIが台頭し分析や単純作業など
過去を扱うスキルはAIが代わりにやってくれるようになってきました。

これからは未来に視点を向けた創造性が必須スキルになります。

ゲームをプレイすることで、創造性そのものを高めることもできます。

そしてもう1つ、創造性を高めるのに重要な要素があります。
それは

「違う世界、未来の世界、異なる文化に思考を飛ばすこと」です。

ゲームは、これを楽しみながら実現してくれます。
それにより、創造性の向上、メンタルの安定、活力の向上など
これからの世界に必要な必須スキルを手に入れることができるのです。

そして何より

ゲームは工夫をする癖がつきます。
数多くの名作を残したピカソの名言にこんな言葉があります

「何か新しいものを作るとき、それを作るのは実に複雑だから、作品はどうしても醜くなってしまうのだ」

「全ての成功の鍵は行動することだ」

考え、行動し、失敗し、そこから立ち直る力
この全てをゲームは教えてくれるのです。

いかがでしたか?
ゲームの見方が少し変わりましたか?
もちろんお話ししたように、デメリットもあります。
しかし、そのデメリットもゲームで解決できます。

それでは次回は
ゲームな心理学〜日常をゲーム化するための方法〜
でお会いしましょう!


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