コント②「ピアノ教室」
登場人物
男子生徒 初めてピアノ教室に入塾。 男
先生 クセが強い。変な格好 先
ぺも 走る。 ぺ
小道具:椅子、あればグランドピアノ
(男が入ってくる)
男 ここで合ってるのかな?趣味を持つために申し込んだピアノ教室、やっぱり初めては緊張するな〜…
(先生が入ってくる)
先 おつかれっす〜!!
男 クセ強いな〜
先 君が新しい生徒さん?
男 は、はい!〇〇です、お願いします
先 うん、よろしくよろしく。入塾を許可します。金もくれたしね。
男 生々しいな。月謝ね、月謝は払わせてもらいましたけど…
男 じゃ、早速座って。それじゃ、まず大人に触ってみようか
男 …はい?
先 何よりも大人を触らないことには始まらないでしょ
男 えっ…と…
先 ……ほら、大人に触って…(ピアノを指差す)
男 あ、ピアノのこと「大人」って呼んでるんですか!?
先 そうそう。で、大人に触るためには、まず子供のことも知っておかなければならないのね…
男 子供?…あっ!もしかして、ひとつひとつの鍵盤のことですか?
先 いや?この後ろにあるヒモ。
男 後ろにあるヒモ!?この、弦のことかな?弦のこと、ヒモっていうかね…
先 じゃ、鍵盤に触ってみようか。
男 鍵盤は鍵盤なんすね。
先 鍵盤は鍵盤だよ。お前何言っちゃってんの
男 挑発の仕方が小学生だ
先 鍵盤さわってね
(ドの音)
先 うん、これヌの音ね。
男 ヌ!?いや馬鹿にしないでくださいよ、さすがに分かりますよ、ドでしょ。
先 あー、まあ巷ではそう言われてるけどね。ウチは、ヌ、ソ、サ、テ、ヒ、ヌ、ク、キで表すから。
男 独特だなー。(指折り)ヌ2つあるじゃないですか。
先 じゃあ、ヌソサを弾いてみよっか。
男 …あ、ドレミのことですね。
先 そう。で、今から大事なこと言うんだけど、やっぱ楽器を演奏するときって、頭にイメージを思い浮かべるのが大切なのね。
男 はぁ〜!なるほど。
先 今から弾くときは、デブを想像して。
男 えっ?
先 シャトルランで、クラスに一人はいる遅いデブをイメージしながら弾くの。
男 …はぁ。じゃ、弾きますね……
(以下、先生は頭でイメージを膨らませるような姿勢)
(ドレミファソラシド)
(ぺもがノロノロ走る)
先 …うん、いいね。
男 あぁ、よかったんですか!?
先 初めてにしてはまぁまぁ良かった。ただね、ちょっと遅すぎたわ。間に合ってない。
男 はぁ、遅かった…
先 ハート様みたいだったもん。
男 …確定演出の?
先 そう、パチスロの。はい、もう一回ね。
男 はい…
(ドレミファソラシド)
(ぺもが裸になって更にノロノロ走る)
先 いやもう完全にハート様だったよ!寄せに来てるもん。
男 だって俺イメージできてないですもん。わかんないですよ。
先 雑魚軍来てたもん
男 あのね、雑魚軍の後を追いかけるハート様のね…わかんない人もいますから!
先 もう一回やってみて。つぎならいけるはず
(ドレミファソラシド)
(ぺもは早く走り去って次の準備)
先 あー、早すぎたね。
男 なんなんですか遅いとか早いとか!
先 最初の方だけ調子こいてるデブみたいになってた。
男 あぁ、次の準備してるやつね。
先 ケツ振ってた。
男 腹立つなぁ〜!合わせてくださいよそのデブ!
先 もう一回。
男 はい。
(ドレミファソラシド)
(ぺもは麦わら帽子に虫取り網をかついで走る)
先 あぁ〜、駄目だ。ノスタルジックになっちゃったわ。
男 どういうことすか!
先 なんか、井上陽水聞きたくなってきちゃった
男 少年時代ですか?
先 うん。風あざってたもん
男 「風あざみ」って動詞じゃないと思いますけどね。
先 うん。もう一回だけ引いてみよっか!
男 はい…何回もやり直しでこの先大丈夫かな?
(ドレミファソラシド)
(ぺもが笑顔で捕まえた虫を披露する。ひとしきり見せたあとハケる)
先 いや走れよ!!!
男 うわびっくりした…そんないきなり怒鳴られてもわかんないんで
先 どうぶつの森じゃん。
男 何行ってるんですか
先 イメージして頭の中で。
(ドレミファソラシド)
(後ろを気にしながら走る)
先 …何かに追われてない?
男 追われてるんですか!?大丈夫ですかそいつ
先 ちょっともう一回弾いてみて
(ドレミファソラシド)
(黒ずくめのサングラスの男が走る)
先 ハンターだったわ。
男 逃走中!?参加してるんですか?
先 続きが気になるから弾いて
男 はい…
(ドレミファソラシド)
(ぺも、大金を見せびらかしてハケる)
先 逃げ切れたんかい!!
男 逃げ切れたんですか!?
先 金めっちゃ持ってたわ。腹立つー
男 いやですねなんか。
先 はいもう一回
男 何回もやらせるじゃん。先生もしかして、何も弾けないんじゃないですか
先 心外だなぁ。
男 このままだと先生が怪しい宗教家に見えてくるんで
先 あいわかった
(先生、ショパンノクターン第2番を弾く)
男 あっ!見えてくる…
(ぺも、追われるも銃で撃たれまくる、しかし何度も立ち上がって逃げ続ける)
男 表現力の力か…?
(弾き終わり)
先 どうだった?
男 あいつ不死身っすね
《あとがき》
トリオでやる機会があるとき用のコントです!!
いつか披露してみたいな〜
やるときは先生の服装も奇抜なものにしたい!!