世界の終わりを歌った曲たち。
"もしも世界が終わるなら"
"もしも人類が滅亡したら"
恋愛においても友人間においても例え話としてよく挙げられるテーマ。人間として生きていく上で、重くも軽くも一度は考えたことがあると思います。それは「世界なんてもう終わっちまえ!」って気分の時だったり、どうしようもなく不安だったり、ノスタルジーな気持ちに寄り添って欲しい時だったり、世界が終わっても一緒にいようね、なんて睦言だったりするかもしれません。
そんな「世界の終わり」をテーマにした楽曲たちを一邦ロックファンとしての独断と偏見で集めてみました。
世界の終わり - THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
日本のロック、世界の終わり、と言ったらまず思い浮かんだのがこの曲。
世界の終わりが そこで見てるよと
紅茶飲み干して 君は静かに待つ
パンを焼きながら 待ち焦がれてる
やってくる時を 待ち焦がれてる
いつ聴いても色褪せない!ミッシェルのデビュー曲にして最も鮮烈な大名曲。代表作品と言っても過言じゃないのでは?サビで弾ける「世界の終わりが〜」というしゃがれたボーカルにどれだけの人間がロックに目覚めさせられ、魅了されてきたことでしょう。
紅茶とパン、この何でもない日常と世界の終わりが同居してる感じにゾクゾクッと興奮してしまうのです。抽象的で何にでも当てはまるし、YOU AND Iの比喩的表現とも取れる気がする。レジェンドです。
あした地球がこなごなになっても - でんぱ組.inc
この曲、とっても深いんです。
最上もが、夢眠ねむ、先日卒業したえいたそこと成瀬瑛美含む旧体制6人組のときのでんぱ組.incと、作詞に漫画家の浅野いにおを迎えた楽曲。曲調はアイドルらしく、でんぱ組らしく、ポップでキュートなんだけれど、どこか切なくて、儚い、女の子じゃないと歌えない世界の終わりソング。
明日地球がこなごなになって
宇宙のちりになって消えたら
オーロラみたいなメイクして
最低!ってそう言って死んでやる
ラスサビ前の「君がいるなら、例え世界が終わる日も」からギュッと胸が締め付けられます。なんてすばらしい泣きメロ!アイドルと侮ることなかれ。アイドルだからこそ、等身大でリアルに響かせられるものもあると思います。彼女たちのことを知れば知るほど、歌割りでもグッとくる歌詞があったりするスルメ曲。
でんぱ組.incの中でこの曲が1番好きです。
世界が終わる夜に - チャットモンチー
チャットモンチーを聴くと、学生時代を、あの日の気持ちを思い出して、涙が止まらなくなる時があります。えっちゃんこと橋本絵莉子さんの音域が、丁度涙腺を刺激するようになってるんじゃないか?とすら思うくらい。
特にこの曲はチャットモンチーの魅力のひとつともいえる、ノスタルジーを感じさせるメロディラインが特徴的です。
わたしが神様だったら
こんな世界は作らなかった
愛という名のお守りは
結局からっぽだったんだ
わたしが悪魔だったら
こんな世界は作らなかった
命の砂時計は 結局からっぽだったんだ
等身大のガールズ・ロックバンドの先駆者ともいえるチャットモンチーは楽曲がとにかく良い。元々スリーピースなので、シンプルなサウンドだからこそ、センスが光りまくってます。歌詞においては、散りばめられた比喩表現が唸るほど素敵。なんでこんなに切なくて良い曲ばかり作れるんだろう。そういや、はじめてコピーしたバンドはチャットモンチーだったなあ。
さよなら人類 - たま
世界の終わりっていうか人類の終わりを歌った楽曲。平成初期のいわゆるイカ天ブーム(※イカすバンド天国というバンドオーディション番組)から世に輩出されたアングラバンド、たま。リアルタイムの世代ではないのですが、この曲をはじめて聴いた時の中毒性ったらなかった。なんだろう、この世界観。ノスタルジーを感じる古めかしいメロディである反面、やたらと前衛的にも思える。宇宙人に出会ったみたい。耳新しすぎて!癖のあるボーカルと癖のあるメロディと癖のある楽器隊。まさに癖しかないバンドで、唯一無二とは彼らのこと。
あの子は花火をうちあげて
この日がきたのを祝ってる
冬の花火は強すぎて
僕らの身体はくだけちる
一度聴いただけでは難解な歌詞ですが、まるで物語のように、絵本のように、ストーリー仕立てになっています。戦争と平和、人間と環境破壊がテーマなのだと思います。
さる〜さる〜…
「野良犬は僕の骨咥え、野生の力を試してる」って歌詞が考えつきようもなくて、センスを感じて、とても好きでした。今まさに色んな音楽を掘ってる、在りし日の自分みたいな目覚めたての子に、ぜひ出会ってもらいたい楽曲です。あの衝撃を共有したい。
更にオススメ曲。
上記以外にもまだまだオススメ曲あります。
・RADWIMPS 「世界の果て」
・あいみょん「世界が終わるとしても」
・石崎ひゅーい「夜間飛行」
・銀杏BOYZ 「夜王子と月の姫」
・THE BACK HORN 「蘇る陽」
「ヘッドフォンチルドレン」…
などなど。
最後に。
世界の終わりって言葉自体はなんだか重く、暗く、苦しいものに感じるかもしれない。正直、私もこのテーマを聴きたくなったのは、暗く沈んでいるからです。そうじゃなかったら意識しない言葉です。
でもそれを意識するってことは、今、とりあえず生きてるからであって、いつか世界は終わるかもしれないし、それが明日かもしれない。
世界の終わりを持ち出して歌っている感情に触れることで、心が動くのを感じるのです。