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グレン・ブランカとスロッビング・グリッスル

目が覚めると0時前だった。ボーっとしながら煙草を吸って、日付が変わるとともにau WALLETのポイントガチャを回し(ポイントがたまる)、mixivというアプリにログインする(ログインポイントがたまる)。昨日買った赤ワインの「SIEMPRE」がまだ大半残っていた。それを飲みながらグレン・ブランカやスロッビング・グリッスルのCDを聞きながら書き物などしていると3時前になった。グレン・ブランカやスロッビング・グリッスルについては知らない人も多いに違いないので軽く紹介しておく。
グレン・ブランカはアメリカのミニマル・ミュージックを先導した存在として名高いものの、ブランカの功績は純正律から派生した様々な微分音程と強大すぎる音圧にあった。ハーモニクスを出しやすくするための特別な駒をギターに当てる「ハーモニック・ギター」も彼の考案だが、ヨーロッパの現代音楽の複雑さや難解さとは一貫して無縁の音楽を作曲し続けている。Symphony No. 1 Tonal Plexusはジェラール・グリゼーのようにEを基準とした音程を積み重ねるものの、四拍は完全に固定されており、ドラムスが加わって高揚してもなおEのコードを鳴らし続ける。その後基準音はGほかに変更されるものの、原則的には一つのユニットを際限なく反復し続けるため、スティーブ・ライヒやフィリップ・グラスとは異なった呪術的な雰囲気が醸し出される。

スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)は1975年にイギリス、キングストン・アポン・ハルで結成されたインダストリアルバンドで、前身は、パフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッションである。バンド名は、英語で「脈打つ軟骨」という意味で、男根の隠語である。またキングストン・アポン・ハルでは「勃起」を、ヨークシャー地方では「港湾労働者」を意味するスラングでもあると、ジェネシス・P・オリッジは日本の音楽誌ミュージック・マガジン1980年8月号で語っている。工業化社会をテーマとしたコンセプトと、具体音やノイズのコラージュ、呪詛的なヴォーカルやリズム・ボックスを多用したサウンドは、後のインダストリアルおよびノイズシーンに多大な影響を及ぼした。またビジュアル面ではジャケットに少女への暴行を想起させるような写真を用いたり(「D・o・A」)、自殺の名所として知られる海岸で写真を撮る(「20 Jazz Fank Greats 」)など、狂気すらも感じさせるインパクトに満ちたものを多く取り入れた。

赤ワインの「SIEMPRE」を飲み終えてボーっとしていたら、「あ、そうだ、梅酒があった!!!」と気づき、冷蔵庫からおもむろに梅酒の瓶を取り出して飲み始めた。この梅酒はYが作っていたものだが、Y曰く酒はやめたということなので飲ませてもらった。グラスに3杯くらいだろうか、梅酒を飲み終わって残った梅を齧っているといつの間にか寝てしまって、起きたら8時前だった。
観葉植物に水をやり、大阪の都市開発のブログや建設ニュース、ツイッターを眺めていたら11時になり、ヘルパーさんがやってきた。また、いつものように掃除だけをお願いする。Yから公衆電話で電話があり、次に持ってきてほしいものなどをメモして、次回面会に行くのは11日の金曜日になることを伝える。この日はYのお母さんから昨日電話があって主治医の先生の話も聞くことができるということなので私も同席させてもらうことにする。ただ、台風が気になるということだったが、ネットの天気予報を見ると東にそれるようだ。関東地方は直撃みたいなので、特に前の台風で被害をこうむった千葉が心配である。アンチ東京(関東)の私はざまあみろと思っているが・・・
昼過ぎにマルクス&エンゲルスの未来社会論の勉強会に参加したのだが、なんだか体がだるく、頭もボーとして中身が頭に入らない。人間が人間を搾取しない、人間が人間を支配しない社会の話なのだが、人間には「欲」というものが存在する。金欲や物欲などは分かりやすいが、それが満たされると支配欲、権力欲などが顔を出す。仏教では長年この欲を研究し、結局、欲も苦しみでしかなく、苦しみから解放されるために欲を捨てよと説かれてきた。マルクス&エンゲルスが描いた未来社会は理想ではあるが、果たしてそれは科学的かどうかまだわからない。
勉強会が終わって、区役所で野暮用を済ませると、業務スーパーに行って赤ワインの「SIEMPRE」とガスコンロのボンベと茄子が安かったのでその3点を買って自宅に戻り、ワインを冷やしているあいだに焼きナスを作って食べる。考えてみたらこれがこの日の唯一の食事だった。焼きナスは、フライパンにサラダ油を引いて半分に切ったナスをこんがり焼いて塩コショーで食べるという至ってシンプルなものだが、私はこれが好きなのである。
ワインが冷えたところで冷蔵庫から出して、塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」を読みながら飲んでいたら、1杯目を飲み干す以前に寝落ちしてしまった。19時ころに一度起きて、YやYのお母さんからの電話対応をしてもう一度飲み直したのだが、またしても熟睡してしまった。疲れていたのだろうか?睡眠薬は飲んでいない。

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