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金本位制の亡霊を退治せねば。

昨年(2023)の2月19日放送のNHK日曜討論での
前日銀副総裁 学習院大学 名誉教授 岩田 規久男 氏の
お話された内容が、至極、まっとうな御意見と思い
共有させていただきたいなと、文字起こしをいたしました。

以下をお読み頂ければ、いかに政府・コメンテーター・マスコミが
嘘っぱちを並べ立てているのかがお解りいただけるかと思老います。
長くはなりますが、どうぞご一読下さればと願います。

2023年 2月19日 (日)NHK日曜討論より
前日銀副総裁 
学習院大学 名誉教授
岩田規久男氏(談)のお話を列記しております。

尚、出演者の方々は以下のとおり。(席並び)

(画面に向かって左)
早川 英男 氏 (東京財団政策研究所主席研究員)元日銀理事
河村 小百合 氏(日本総研主席研究員)金融政策が専門

(画面に向かって右)
岩田 規久男 氏(前日銀副総裁)学習院大学名誉教授
片岡 剛士 氏
(PwCコンサルティングチーフエコノミスト) 元日銀審議委員

司会(席並び) 星 真琴 氏 ・ 伊藤 雅之 氏


テーマその1
「総裁・副総裁の人事案をどうみる」→割愛します。

テーマその2
「"金融緩和10年"効果と課題は」


アベノミクスは良く3本の矢と言うんですが、
基本的には金融政策1本打法なんですね。

財政の方が、もう2014年と2015年と2回増税して
かつ既存収支の黒字化を急ぐとゆう緊縮財政なんですよ。

量的規制緩和を始めたのは
2013年の4月なんで、
それを翌年に増税すれば、
日本経済は言ってみれば、手術をして入院中なんですよ。
2013年、2014年ってゆうのは。

それでもう増税するんですよね。

って言うのは、もう退院しなさい、
筋トレしなさいって言ってるようなもんで、
2%目標にするのはもう無理なんです。
そんな事したら。

そこが2%に出来ない理由なんで、
他の人は消費税とか緊縮財政の物価の下押し圧力とか
全く言わないで、むしろそんな事は起こらないって
消費増税賛成した方々がね、2%インフレ達成出来ないって言ってんのは
元々おかしな話しだと思っています。

テーマその3「2%物価目標」実現は?

1999年度〜2012年度これはデフレ期なんですけども、
平均が消費税抜きでやると-0.25とゆうデフレが続いてたんですね。
それに対して2013年度から量的規制緩和が始まりますけど2019年度まで。2020年度以下はコロナ他の特殊要因があるので抜きますけどね。

この期間平均が0.46とずーっとプラスなんです。
どれだけ上げたかとゆうと大体0.7〜8%ポイント上げてる訳ですね。
インフレ率を。

2%達成しなかったのは先程言った消費増税と緊縮があったけれども、
それにもめげずですよ、
これだけの0.5近いインフレ率を維持したとゆうのは
金融政策の量的緩和のチカラ強さを見せているんで、
皆さんは量的緩和はダメだって言うけど、
これが無かったら昔の様にマイナスのデフレだったとゆう事です。

非常にチカラがあったとむしろ評価すべき。

1本足打法でも強いんだと言う事です。
黒田総裁のやり方は間違って無かったとゆう事です。


テーマその4
「"金融緩和10年"効果と実現は」


これは絶大なものがあって、
一番解り易いのは1998年から2012年(5年間)とゆう
新日銀が始まったデフレ期ですね。

この時に就業者って、実に、この間2百2十7万人も減ってるんですよ。
それに対して量的緩和期で2013年から2019年のインフレ期は
就業者は逆に4百7十万人増えてるんですよ。

それに対して量的緩和期で2013年から2019年のインフレ期は
就業者は逆に4百7十万人増えてるんですよ。

これはもう、就職氷河期なんてゆう言葉が死語になった訳ですよね。
これはもう完全な労働者へのトリクルダウンでもなんでも無いんですね。

もう一つついでに実質賃金も言っていいですか?

これ皆さん実質賃金減った減ったと思ってらっしゃるでしょ?
全部、報道、新聞報道もそうですね。

しかし、実質賃金はですね、
【実質雇用者報酬】で見なきゃダメなんですよ。

どうゆう事かとゆうと実質雇用者報酬とゆうのは、
皆さんが貰う分と会社が負担した社会保障負担が入ってるんですね。

これが【実質雇用者報酬】。

会社が負担した分てゆうのは、
結局、前払いで賃金の中からホントは払うべきものを
企業が肩代わりして払ってるから、賃金に含まれてる。

だから【実質雇用者報酬】ってゆうのがあるんです。

1999年から2012年のデフレ期は、
なんと8.4%低下してるんですよ。
いいですか?実質賃金は。

それに対してアベノミクスの時代は2.4%上昇してるんです。
その中の上昇が社会保障の負担が7.5%も上昇してる。
これが大きいんです。

個人が自分で見るのは賃金だけですよね。
だから低く見えるだけです。
ですから非常に高いという事です。


テーマその5
「"金融緩和10年"効果と課題は」


PwCコンサルティングチーフエコノミスト
 元日銀審議委 片岡剛士氏 談

日銀が物価安定目標の為に国債を買取るとゆう金融政策をやってる訳で、
それが間違っているとゆう話では無いと思いますし、
そもそも、アベノミクスって言うのは
金融政策1本足打法だったわけですよね。

これほど長い期間、
金融緩和を続けざるを得ないってゆうのは
財政政策のサポートが逆に薄かったから
結果としてそうなったんじゃないかなとそう言う風に私は理解しています。

【ここでお隣の岩田氏から片岡氏に、
下に引っ張ったんだよとのご意見が入る】

そこで司会者から岩田氏へ向けて、続けてどうぞと振られ、
岩田氏が続けて解説をされる。

※【重要!】
大規模緩和の負債なんて全く無いと思いますね。
よく日銀が債務超過になって大変だなんてゆうのはね、
話があるんですけど、これは、
日銀券が金と奪還可能だとゆう【金本位制の亡霊】に囚われてる話しでね、
日銀の債務超過なんて全く問題にすること無いんですよね。
(現在の日本は「管理通貨制度」)

実際に最近のオーストラリア中央銀行は
債務超過になってるんですけどね。
総裁自身が何も問題無いっつって、今何も問題無いですね。

それからイスラエルは私がデータ持っている、
2000年代から最近まで'19年までずーっと、実は債務超過なんですよ?
何の問題もありませんよね。

それからチェコもマイナスになったり
プラスになったりマイナス自己資本がGDP比で-23.1%あるってゆう
時代とかずーっとあるんですよ。何も問題無いですよ。

※【重要!】
これはホントとんでもない議論で、
『日銀』と『普通の銀行』とをね、
【混同】したね、【病論】と言うんでね、
これはとんでもない議論で
これを何とか消滅して欲しいですね。
(視聴者の私は大拍手!)

先程ちょっと財政にちょっと
申し上げ無かったんで申し上げますけど、
要するに
『国債残高GDPが2百何兆円』だとか『債務が一千兆円』だとかね、
『国債を日銀が半分も買って』だとかね、
こうゆう数字だけでナンカ驚いて、
【人々を驚かすってゆうのは止めて欲しい】と。

これの副作用を、
じゃあ、何処で見るかってゆうとですね、
インフレ率を凄く2%に上げて、
凄いインフレ率にしたかどうか?で見るべき。

もう一つは国際金利が暴騰してるとする。
こうゆう状況を作るなら問題ですよ。
全然問題ない訳ですね。

金利はもの凄い低くそんなに上がって無いし、
で、インフレ率もそんなに上がってないから、
これだけやったって何にも問題無い。

副作用って、要するに数だけで大騒ぎしてるんですね。

そうゆう様なんじゃなくて、しっかりと見るべきで、
先程言った様に、1本足打法でやって、
これだけ金利をむしろやっても下がっていて、
インフレ率はさっき言った様に実は上がってるけど
上がり方少ないんじゃないか?ってゆうのは、
さっき言った様に、【増税が効いて来てる】からなんですよ。
それとあと【緊縮財政】

それを無くせばちゃんと2%のインフレ行くし、
ですからそうゆう意味で言えば、
税収も名目GDP上がれば2.7とゆう『弾性値』で非常に大きいんですよ。

財務省は1.0しかなとかいって言ってますけど。(←レトリック)

ただ増税が入らなくてもインフレ率にして
実質成長率を上げて行けば名目成長率も上がりますから。

税収も上がって、財政再建出来るんで、
ですから、あまりこう数字だけでですね、
モノを言うって言うのは
インフレ率・金利はそんなに暴騰してるのかと。
そうゆう点で見るべきだとゆう事です。

(これからこのままの状態は続けられるのかと司会者に振られての回答)

先程インフレ率が2.0%に近づいてくるとゆう様な時には、
出口にゆっくりと出て行くとゆう事で結構で、
それまでの間は、【何も国債買っても何も問題無い】んですよ。
インフレ・金利暴騰になった訳じゃないですしね。

そうゆう事が起こってないんですから、
それが起こりそうになるのが2%なんですよ。
そこまでは今のを続けて行けば良いとゆう事です。

そんな数を大きいから大変だ大変だってゆうだけで
議論をするとゆうのは、【いい加減止めて欲しいと】ゆうふうに思います。


テーマその6
「大規模緩和の"出口戦略"は」


(司会者からYCC(イーブルカーブコントロール)についてどう考えるかについて問われての回答)→

早期に見直すってゆう事は非常に危ないですね。
むしろデフレに逆戻りする

さっき言った様に長期には、
中・長期ってのは経済に非常に影響を与える、
設備投資とは何とゆう日銀の検疫が実際にあるんですよ実証理論的研究が。非常に注意しなきゃいけないとゆう事です。

出口に向かってていうのは、
日銀はちゃんとシュミレーションしてますのでね、
日銀のプロがやってて、恐らく一時的に債務超過になるとゆのは、
どうゆう事かとゆうと、

出口に出る時ってゆうのは、
銀行が日本銀行に預けてるお金(当座預金)の償還準備
ってゆうのがあるんですけど、
これの金利を少しづつ上げて行くんですね。
で、これでゆっくり上げて行くんですけども、
その間にある程度債務超過になる期間が若干あるかと思いますけど
それはもうすぐ無くなってしまって、正常化してくと。

で、国債の残高はそれからゆっくり減らしてゆく可能性はあると。
これは今、FRB(米国の中央銀行制度の最高意思決定機関)が
ですね出口をしたやり方と同じであって。

ちゃんと出口は上手くやってる訳で、なんか大変な事が起こるって、
もう大変大変って言うの大好きな人が多すぎますね


テーマその7
「政府・日銀の"共同声明"は」


(司会者から共同声明を見直す必要があるかどうかを問われ)→

これは見直すとすれば、
財政再建・財政持続可能のところを取るべき(無くすべき)だと
いうふうに思います。

共同声明ってゆうのは
何処の国も中央銀行と政府が金融政策について
協定を結んでるんですよ。

財政再建どうしようなんて、やってるとこありません。
ですから、これは日銀と別な話しですのでね。
これは取った(無くした)方がいいってゆうのが私の考えです。

それから
早川さんは、もう来年あたり2%になるなんて言ってますけど、
これ、今のは【コストプッシュ型】ですからね。

需要牽引型の2%に移れば、確かに仰るような事には。
需要不足が結構沢山20兆円とかなんとかあるとゆう状況でそんな状況を解消しなくて、需要牽引型にはすぐならないと思いますのでね。

ならないのは、むしろ防衛の増税とか、
いろんな増税増税って言ってるので尚更ぜったいならないんでね、
ですからそうゆう意味でも2%行くのは
財政の方がもう少ししっかりするとゆう、
これは河村さんと逆ですけどね。

積極財政しないと。逆に。
そうすると税収が上がって行くんで。
んで、財政再建出来ると。
増税から入ったら景気悪くなって税収落ちて
財政再建出来ないんです。逆に。


テーマその8(最後)
「日銀が果たす"役割"について」


河村さんは盛んに国債マーケットが混乱しちゃうとか、
そんな事ばっかりおっしゃってるんですけどね、
YCCするとね債券価格あんまり動かないんですよ。

だから債券部門の人、
債券で売買で儲ける人、
儲からないで文句言ってんです。コレは。


だけど債券市場で儲けるとか儲からないで
金融政策やってんじゃ無いんです。
国民の為にやってて雇用とかそうゆう事の為にやってるんですね。

それから銀行がね、また反対してるんですよね。
コレもね、利ざやが稼げないから。

ところが2%の安定になってくれば、
長期金利上がって来ますから。利ざやが出て来ます。自然に。
だから銀行とかは2%に早くする方法を考えるべきで、
利上げなんてしたら2%凍ります。

かえって。銀行潰れちゃいますよ。
逆です。やってる事が。


以上、日曜討論での岩田氏のお話をピックアップし、
文字起こしをいたしました。

日本の皆さんが正しい貨幣観を認識される事を願っております。
2024年元旦に起きました
災害で被災された方々に心からのお見舞いを申し上げますとともに、
正しい財政政策がなされ復旧から復興へ繋がることを強く願います。
まずは消費税廃止(景気回復・各地の復旧・復興が成されるまで)を
望みます。
そして、社会保険料・住民税の減免といった減税政策が成されます様に。
皆が豊かになってからでしか、人口の減少は変えられないでしょう。

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