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化学療法中の些末な思い出 〜夜のトイレ〜
トイレの話で恐縮だけれど、去年の夏、化学療法を受けていた時の下らない思い出・その2である。
◇ ◇ ◇
化学療法を受け始めてから、夜にトイレに起きることが増えた。
夜の間、必ず1回は起きるようになった。
確かに遅くまで飲んで帰った日など、夜にトイレに起きることもたまにはあったし、年齢も年齢なので、そんな日もたまにはあったけれど、こう毎晩ともなってくると、さすがに少しどうなのだろうかと思った。
知人からは、「夏で水分量がいつもより多いのでは?」と言われたりもしたけれど、自分としてはそういった違いはなかった。
1回ならまだしも、一番多い時で3回起きたこともあったと思う。
そんな訳で、通院したある日、医師からいつものように、
「体調は変わりないですか?」
と聞かれて、
「たいして困っているという訳でもないのですが、夜、トイレが近くなりました」
と言ってみた。
「んー、、、。まあ、なつそら日記さんの場合、年齢的な問題もあるかもしれませんね」
とのこと。やはり年齢による老化説。まあ、予想どおりの回答だった。
老化は自分でも認めているものの、でも、多い時に一晩で3回とは普通じゃなく多いし、そこまで一気に老化する?と思ったけれど、所詮あまり切実に困っているということでもなし。それ以上追求もせず、毎晩起きてトイレに行くことにも慣れていき、“いつものこと” になっていったのであった。
その後、化学療法が終わり、しばらくして手術も終わった頃、夜のトイレはぴたりと止まった。以前のとおり、朝まで一度も起きることはなくなった。
やはり、“急激な老化” ではなかったのだ。
当時も思っていたけれど、“夜のトイレ” は化学療法の影響だったのだろうと思う。(それにしても、昼間のトイレの間隔には特に変化はなく、近くなったのは寝ている間だけだったことは不思議だ。睡眠時のホルモンなどが関係しているのだろうか?)
いずれにしても、自然なものではない、抗がん剤による何かを、身体はとっとと排出したがっていたのだなあと思う。
毎晩の夜中のトイレも、化学療法期間中の思い出の一つである。
◇ ◇ ◇
(追)
そして最近、数日前から追加の抗がん剤の薬を飲み始めたところなのだが、明け方のトイレが再び始まった模様。
身体は、自分が思っている以上に敏感で正直なんだなあと実感中。