なつそら日記

2023年5月中旬に乳がんの診断を受けてから2週間、あっという間に治療開始。12月に右…

なつそら日記

2023年5月中旬に乳がんの診断を受けてから2週間、あっという間に治療開始。12月に右胸全摘手術を終え、残りの治療予定期間はまだあと約一年。 感じたことなどの備忘録として。 ※書かれていることは、あくまでも私個人の感想です。

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この備忘録について

まず、私自身について。 50代、独身、一人暮らし。2023年5月中旬に、乳がんの診断を受け、5月末日より治療を開始。 身内に乳がん罹患者はおらず、自分が乳がんになるとは思ってもいなかった。 抗がん剤治療をした人もおらず、がんの治療に関しても、テレビなどの情報レベルで、身近な体験としては知らないことばかり。 自分自身も大きな病気をしたことがないため、長期の治療自体も初めてとなる。 これから、約一年間の、人生で初めての長期の治療となる。なるようになるものだと思う一方で、やはり少

    • 後半戦というか最終戦、カペシタビンの始まり

      9月になり、気づけば、夜はすっかり虫の声が聞こえてきて、まだまだこんなに暑いのに、自然の世界はやはりもう秋が来ているのだと感じさせられる。 台風で飛んでいってくれるかと期待していたベランダの蝉さんの果ては、関東は台風の影響も少なく、残念ながら飛んで行ってはくれず。 しばらく天気もぐずぐずしていたので近寄りがたく、今日もまだベランダに…。(明日こそは地面に帰してあげようと思っているが、異常なほど六つ足モノが苦手なので、相当の勇気が必要なのだ…) ここは12階だというのに、そし

      • やる気を出す・・・ならぬ、落ち込んでしまった時には。

        台風10号が迷走しながら、やっと熱帯低気圧になりそうだとのこと。 横浜では、しずかな雨が少し上がりかけているところ。そんな日曜日の午後です。 台風で被害にあってしまわれた地域の方々の気持ちや負担が少しでも少なくあることを願います。 + + + さて。 少し前に、朝のTVで、「やる気を出す方法」について紹介していた。 今、乳がん治療中の私はかなりのんびりと過ごしており、私自身はそれほど “やる気を出す” 必要はないけれど、“落ち込んで” しまうことはある。 基本的には楽

        • パリオリンピック閉会 〜印象的だったこと〜

          パリオリンピックも閉会。 子供の頃見ていた時は、もっと長かったように思ったけれど、パリでの2週間、あっという間の開催だった。 (どうでもいいことだが、始めの頃、「パリオリンピック」を「パラオリンピック」だとずっと思っていて、おお、ついに一緒に語られるようになったのか!と勝手に喜んでいた) 開会式や選手村、審判のことやジェンダー問題など、運営の側にはいろいろ問題はあったようだけれども、柔道も乗馬も水泳もフェンシングも陸上も卓球もクライミングも、どれもこれも、どの競技も、選手の

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        この備忘録について

          化学療法中の些末な思い出 〜夜のトイレ〜

          トイレの話で恐縮だけれど、去年の夏、化学療法を受けていた時の下らない思い出・その2である。 ◇ ◇ ◇ 化学療法を受け始めてから、夜にトイレに起きることが増えた。 夜の間、必ず1回は起きるようになった。 確かに遅くまで飲んで帰った日など、夜にトイレに起きることもたまにはあったし、年齢も年齢なので、そんな日もたまにはあったけれど、こう毎晩ともなってくると、さすがに少しどうなのだろうかと思った。 知人からは、「夏で水分量がいつもより多いのでは?」と言われたりもしたけれど、自分

          化学療法中の些末な思い出 〜夜のトイレ〜

          化学療法中の些末な思い出 〜レスカ缶〜

          梅雨も明け、セミも大音量で鳴き始め、パリオリンピックも始まって、夏も本番。 乳がんと分かってから二度目の夏である。 このnoteは私の備忘録でもあるので、去年の夏、化学療法を受けていた時の下らない思い出などもつらつらと書いてみようと思う。 ◇ ◇ ◇ 黒地に銀色水玉模様のレスカ缶。 抗がん剤治療の間、いくつかのものが美味しくなくなって食べたり飲んだりしなくなったけれど、レスカ缶は美味しい発見だった。 + + + 今では元に戻っているけれど、抗がん剤治療をしている間、味

          化学療法中の些末な思い出 〜レスカ缶〜

          キイトルーダ、全サイクルを終了

          先週の水曜日、免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」の最後の点滴を受けてきた。 術前の計8サイクルの抗がん剤とキートルーダ、右胸の全摘手術、術後の9サイクルのキイトルーダ。 まだあと半年、追加の治療は続くけれど、ひとまずはこれで、去年の5月末から始まった一連の治療はひととおり完了したことになる。 一年と2ヶ月。 これまでの人生で、一年以上も治療するようなことは初めてだった。 術前の抗がん剤治療が終わったときにも思ったけれど、「始まれば終わる」のだ。 長かったような、でも

          キイトルーダ、全サイクルを終了

          手術後の 「初めて」 ② 〜ヘアカット〜

          抗がん剤で脱毛した頭の毛は、手術から2ヶ月も経った頃には少しずつふわふわと生えてきて、3ヶ月の頃には、もう襟足の方は帽子の下からも見えるようになった。 5月の連休明けにはベリーショートだと言えるほどにはなって、近くのスーパーまで帽子なしで行ったりできるようになった。 前髪は短いままだったけど、耳の上と襟足の毛は元気に伸びてきて、5月も半ばを過ぎると、母からも、 「鳥が巣でケンカしたみたいになってきてる」 と言われてしまうほどだった。 新しく生えてきた髪の毛はやはり聞いていた

          手術後の 「初めて」 ② 〜ヘアカット〜

          手術後の 「初めて」 ① 〜温泉〜

          右胸の全摘手術から半年が経った。 今月に入ってからはリハビリも朝の1回のみにしていて、来月にはリハビリも卒業しようと考えている。 キズは順調に回復している。 GW明けには近所のスーパーまで、手術後初めて帽子を被らずに出かけたけれど、そんな “手術後の初めて” について書いておこうと思う。 一つ目は「温泉」。 手術のあと、初めての「温泉」であり、初めての「旅行」でもあった。 ◇ ◇ ◇ 5月の下旬に、伊豆の今井浜温泉まで出かけた。 母と一泊の、気兼ねのないのんびり旅だ。

          手術後の 「初めて」 ① 〜温泉〜

          “告知” から一年を迎えて

          「年」はともかく、忘れずにいる「日付」がある。 家族や友人、大事な人たちの誕生日。 父の命日。 初めて飼った犬の命日。 結婚はしていないから、結婚記念日はない。 初めて走ったフルマラソンの日も覚えてはいないけれど、この一年で、ここに加わった日が二日ある。 乳がんだと告知された「日」と、右胸を取った手術の「日」だ。 去年の5月17日、乳がんだと告知された。 明日でちょうど一年になる。 治療を始めるときは、これから受けることになる治療を聞いて、「ああなんて長いのか」と思ったし、

          “告知” から一年を迎えて

          身体のチカラ・記憶のチカラ 〜手術から5ヶ月経って〜

          今日、薬の副作用で脱毛してから、初めて、帽子を被らずに出掛けた。 といっても近くのスーパーまでで、まだ知り合いにこの頭で会える気はしないけれど、知らない人が見たら「ベリーショートにしているのかな」と思えるだろうくらいにはなってきた。 手術から5ヶ月、術前の抗がん剤治療を終えてから半年弱。少しずつ戻ってきた髪の毛は、でもまだ短くて、『スピード』のキアヌ・リーブス(古い)より少し長いけれど、全然伸びてこない前髪に関しては、アレンジができそうな慎太郎刈り(古い!)よりもまだまだ短い

          身体のチカラ・記憶のチカラ 〜手術から5ヶ月経って〜

          「病院ラジオ」を見て

          “ラジオを見て” というのも変だけれど、今朝、NHK(総合テレビ)の「病院ラジオ」という番組を見た。 昨日のお昼頃、たまたまテレビを見ていたら、明日の番組ということで紹介されて、初めて知った番組だった。 「病院ラジオ」は、サンドウィッチマンさんお二人が病院を訪れて、出張ラジオ局を開設して送る、という番組らしい。時間は1時間。 明日(つまり今日、4月29日)は、福岡市の「九州がんセンター」が訪問先とのことだった。 ◇ ◇ ◇ がんセンターが訪問先なので、当然ながら、何らか

          「病院ラジオ」を見て

          言える相手、言えない相手

          病気のことを、言える友達と言いにくい友達。 一体何が違うんだろう。 大学時代の友達と、短い時間だったけれど久しぶりに会うことができた。 でも病気のことは、なんでだろう、言えなかったし言わなかった。 友達、仲間、同僚。これまでに病気のことを伝えてきた人たちはいる。 お稽古で一緒の、友達とは違う人たちにも伝えられているのに、伝えられない気持ちになることがあるとは。 なぜなのか。 またしばらく会うことがないだろう相手だから? 元気なままだと思っていて欲しいから? 不幸でかわいそ

          言える相手、言えない相手

          「解放されていくこと」、「自分を喜ばせること」

          前回の診察のときに、いま手元にある分を貼り終わったら、胸のテープはそろそろ貼らなくてもいいだろうというので、12月頭の手術以来、胸のキズにずっと貼っていた傷跡テープを月曜日の夜に外した。 テープのない、生身のキズ跡。 まだ、薄ピンク色ですらなく、赤みの残る斜めの線。 傷の盛り上がりはずいぶん落ち着いて、キッパリとした一本の線になっている。 きっと人から見ればまだ生々しくすらあるだろうし、テープを外して晒されることは少し心許なくもあるけれど、自分にとっては勲章のようでもある頼

          「解放されていくこと」、「自分を喜ばせること」

          手術から三ヶ月。治療の間の不思議・びっくりアレコレ②

          予想よりも遅れた桜も咲き始め、いよいよ春真っ只中。 四月には手術から3ヶ月を迎えるだけでなく、去年の五月に告知を受けてから再びの春になり、はや一年近く経つのだと季節からも感じられるようになってきた。 早かったような、長かったような、一年弱。 でもまだ治療は、次の冬の終わりまで続く予定だ。大きな治療は終わったけれど、まだ道半ば。 次の春はどんな気持ちで迎えているだろうか。 ◇ ◇ ◇ 少し間があいてしまったけれど、これまた下らなくも些細なことばかりの、治療の中でのびっくりし

          手術から三ヶ月。治療の間の不思議・びっくりアレコレ②

          手術から三ヶ月。治療の間の不思議・びっくりアレコレ①

          12月頭の右胸全摘手術から、早いものでもう三ヶ月。 手術した胸の辺りも、肩を反ったり、不意に身体を伸ばしたりすると少し突っ張ったりすることはあるものの、普通の姿勢ではすっかり馴染んで、普段はもう全摘していたことすら忘れてしまうほどである。 私は背中の首の少し下にアザがある。アザのことは普段はすっかり忘れていて、ふと鏡で目に入った時などに、「ああ、アザあったんだっけ」と思い出すくらいなのだが、この間、上半身が鏡に映った時に、「ああ、そうだった、胸切ったんだっけ」と、同じような

          手術から三ヶ月。治療の間の不思議・びっくりアレコレ①