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任意成年後見人

グループホームの利用者で、薬アレルギーで服薬が出来ない人がいて、その方は独身で兄弟とも折り合いが悪く、認知症を発症する前から、自分が前後不覚になった時のためにと、任意後見人(司法書士)をつけていたようだ。認知症以外身体はすこぶる元気だった。

今年1月、要介護1からグループホームに入って来たのだが、その時初めて肝臓に病気を持っていると知った。居宅のケアマネジャーが介護度が軽くならないように(グループホームは介護度1から利用が可能)と、介護度が2となり入って来た。

月2回の主治医からの往診時、「肝臓の数値が悪くなって来ており、1度精密検査で病院に来てもらいたい」との事を言われたため、後見人にその旨を電話すると、一切の受診はしなくていいという。ええっ?!驚きでしかない。そんな事を後見人が言うとは信じ難かった。

更新の月になり、他の利用者と主語の無い、何が原因でもめているのかわからない口論が1時間以上続いたり、私がカウンターの後ろでパソコン業務をやっていると、「バタートーストください」と言ってみたり、「焼きうどんお願い出来ますか?」と言ってみたり、「もう帰ります。こんな訳わからないところに居れないわ」と言って、自分の混乱をそのまま職員にぶつけてきたり、またなかなかこちらの神経に触るところを言ってくる事がある。

すると介護度が、要介護3が出た。もう入居当時は要介護2か?と疑っていたが(もっと軽いだろうと思っていた)、今の3というのは非常に妥当だと思う。

主治医意見書を読んでいると、前の居宅のケアマネからわからないが、令和2年から長谷川式認知症スケールを受けていて25点満点中21点。令和3年が17点。と書いてあり、今年はまだ受けていなかったので、往診時に長谷川式を受けられないかと訊ねると快諾をいただいた。

その事を含め、施設サービス計画書を作成し、後見人に送付すると、計画書に「この計画書で構いませんが、今後長谷川式認知症スケールは受けなくていいです。本人に穏やかに施設で過ごしてもらい」と書かれていて、更に蛍光ペンでアンダーラインが引いてあった。

「こんな後見人がいるのか?」と思うと愕然となった。病気が重篤なれば穏やかに過ごせる訳がない。私たちは、本人からの訴えで「後見人さんに電話させて欲しい」というのを何十回、何百回も誤魔化しはぐらかせてきたのに。

精密検査もさせない、長谷川式認知症スケールも受けさせない、では現在の状態がどのような物なのかわからないまま、どうやって「穏やかに過ごしてください」と言えるのか。こんな認知症の理解に無理解な考えの後見人がいることに非常に驚いたし、逆に怒りさえ覚えた。

施設長にこれでは、「私たちの測るべき指針となるべき情報が得られないのに、どうやって穏やかに過ごせてもらうことが出来ますか?」と訴えても、逆に余計な事をするなみたいな感じで、75歳の施設長では話しにならない。

最近こちらに来た副主任は、ケアマネの資格も持っており、私の訴えとサインをもらおうとした計画書に書かれた文字を見せて、私の訴えを全面的に聞いてくれて、「一度後見人と話してみる」となった。

いやー、助かった。私の感覚、スキルと似ている人が職場にいることの必要性が痛くわかった。副主任も、私の事をそのように捉えているだろう。

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