聞きたいこと聞けないこと
2024.07.13
ぺぎんの日記#100
「聞きたいこと聞けないこと」
魅力的な人に出会うたびに、聞きたいことと聞けないことが多くなっていく。
その人の魅力の根源にあるものを知りたい。
何がその人を形づくっていて、その人のバックボーンには何があるのか。それを知ることで、その人に近づきたいと思ってしまう。
交友関係としても近づきたい。人生の目標としても、私自身をその人に近づけたい。
でもそんな願いをそのまま形にしてしまえば、その人との関係が歪になることは分かりきっている。だから溢れるように出てくる好奇心を抑え込み、無邪気なふりをして、近づきすぎず、遠ざかりすぎず、人と関わる。
腹を割って何でも話せる友人はいる。もちろんその友人も魅力的な人ではある。でもやっぱり、飛躍が足りないなと思ってしまう時がある。普段つるむ友人はどこか「想定内」で、めったなことがない限り、私を新しい世界に連れて行ってはくれない。
私の世界をいつも平穏に保ってくれているのは友人で、私の世界をいつも押し広げてくれるのは、私が安易に聞けないような色々を持った人たちだった。
その好奇心のせいで、ある人を好きになってしまったこともある。
自分が欲しいのはその人なのか、それとも単なる情報なのか。そう考えて思いとどまれたのは、今となってはいい思い出かもしれない。
今でもその人のことは何ひとつだって分からないまま。それでも情報目当てに告白して関係性が崩れるくらいなら、今の何も知らない、そしてその人とちゃんと関われている状態のほうがよっぽどいい。
聞きたいことと、聞けないこと。
知識が付けば付くほど、この2つが「=」で結ばれることが多くなってくる。
最近ずっと気になっているのは、父親のいないクラスメイトの1人が、消臭スプレーの匂いを嗅いで言った「お父さんみたいな匂いがする」という言葉。
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