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そうめん3束

2024.08.19
ぺぎんの日記#136
「そうめん3束」


お腹が空いていたので、そうめんを3束も茹でてしまった。

1束だとちょっと少ないので、いつもは1人分を大体2束で計算しているのだけれど、それは皆で食べるときの話。大抵、2束より多く食べる人が居るから、私は2束分も食べていなかったのだと思う。

それが今日、どうして3束も茹でてしまったのだろう。お腹が空いているから多めに食べたいという気持だけで、深く考えずに鍋に麺を入れてしまった。
いつもは2束だから1束追加しておこうって感じで。

沸騰する鍋の中で踊る麺の量を見て、少し嫌な予感がした。鍋の中央部から上昇してくるお湯と一緒に、止めどなく麺も上がってくる。

火を止めてザルにそうめんを移し替え、水ですすいだときも、そうめんの量にギョッとした。密度の高い、そうめんの集団。隙間なくザルに収まったそれは、かなりズッシリとしている。

茹ですぎた…。このとき確信した。1人で食べ切れる自信がない。
でも1人で食べきれないからと言って、誰かに分けることもできない。家族はみんな外出中で、家は私1人。

そうめんは置いておくと、くっつくわ水を吸うわで非常に美味しくなくなる。今の時間に、私が全て食べ切らねばならない。

腹をくくって(いや、腹をくくると胃が縮むのでそんなことはせずに)、汁を用意し、長期戦に備えて薬味も複数用意する。

準備はできた。私が座るテーブルには、茹ですぎたそうめんと、やたら豪華な薬味たち。これだけ見るとなんか夏って感じがして良さげ!笑。

でも状況は笑えない。何とかして食べきる。無駄に覚悟の決まった「いただきます」が、私以外誰もいないリビングに響く。

しょうが、ネギ、オクラ、とろろ昆布。できる限りこの大量のそうめんをエンジョイしようと、様々な薬味にチャレンジする。

2/3くらいまでは美味しく食べられた。初めて薬味として食べたオクラととろろ昆布も、めっちゃ美味しかった。でもいくら美味しくてもお腹は正直なもので、「もうお腹いっぱい」とメッセージを出してくる。私はそのメッセージに抗いながら、そうめんを口に運ぶ。

なぜだか分からないけど、口元までそうめんを持ってきたとき、熱い麺を食べるときみたいにフーフーと息を吹きかけてしまう。無意識のうちに。
もしかすると「フーフー」は私の脳中で「食べ物への拒否反応」という処理をされているのかも知れないと思った。私は猫舌だから、熱い食べ物を食べるのはしんどいのだ。今このそうめんは熱くはないけれど、量的にしんどい。

とまぁ、そんなささやかな発見もありながら、何とかそうめん3束を食べきることができた。

よかった、食べ切れて。お腹いっぱい。本当にいっぱい。

無駄に達成感のこもった「ごちそうさまでした」が、リビングに響く。

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