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ボワッ

2024.07.24
ぺぎんの日記#110
「ボワッ」

スーパーやコンビニなど、冷房のガッツリ効いた建物から出てきたときの、あの「ボワッ」って感じがたまらない。あぁ夏だなって思う。

自動ドアが開いたときに熱風がドッと正面から当たり、一瞬外に出るのを怯んだ後に来る、あの匂い。

暑すぎる日差しのせいでみんな溶けて気化しちゃったんじゃないの?っていうくらい鋭く、鉄やコンクリ、ガソリン、またそれらの混じった匂いがする。

その熱風と匂いを感じた瞬間、私はなぜかすごく幸せな気分になる。
冷房の効いたところから出て、苦しい暑さの中で過ごさなければならないことにもっと嫌な感じがしてもいいはずなのだが、どうもあの瞬間を嫌いにはなれない。

快適な新幹線を降りた瞬間、人がいっぱい居てうるさい駅のホームに、旅行のワクワク感を感じるのと似た感覚かもしれない。

今日も学校帰り、アイス片手の私に反応し、コンビニの自動ドアが開く。

ボワッ。

熱気。夕方の赤い空。帰りを急ぐ車の排ガスの匂い。手元にあるヒンヤリとしたカップアイス。ドッシリと重い通学カバン。

何がいいか説明はできないけど、これがいいって、私が思っているのだから。
この夏の風景が、未来の私にも届きますように。

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