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ティッシュの数え方
2024.05.17
ぺぎんの日記#47
「ティッシュの数え方」
2限と3限の間の休み時間。教室にて。
友「ティッシュ1個貸して〜」
私「ほいよ」
(ポケットティッシュをそのまま渡す)
友「あざーす」
(ポケットティッシュから1枚引き出して鼻をかむ)
私「あれ、一枚でよかったの?」
友「うん、この中の1個が欲しかった」
私「ティッシュ一枚のことあんま『1個』って言わんくない?笑」
友「えじゃあティッシュ1個って何」
(言いながらポケットティッシュを戻してくる)
私「いやこれ1個でしょ」
(言いながらポケットティッシュを受け取る)
友「今私が1個使ったけど、それでも1個?」
私「紛らわしい笑。君が今1枚持ってったけど、私は今ポケットティッシュを1個持ってるよ」
友「じゃあ私がもう1枚持ってっても、ぺぎんはポケットティッシュを1個持ってるの?」
私「う、ん」
友「もう1枚持ってったら?」
私「あー数学的帰納法ってやつ?」
友「うん、そう。つまりぺぎんは、ティッシュが1枚も残ってないのに、ポケットティッシュのビニールのガワを『ポケットティッシュ1個』って呼ぶってことでオーケイ?」
私「そうなっちゃうよね。えーでもなんか違うって」
友「だから私の『ティッシュ1個』って数え方は正しい」
私「ちょっと待って笑。私はあくまでも『中身のないポケットティッシュは1個と数える』ってことを肯定せざるを得なくなっただけで、『ティッシュそのものの数え方は1個』っていうのを肯定したわけじゃないよ?」
友「いやそうじゃなくて、ぺぎん本当は、『ポケットティッシュのガワのビニールを1個と呼ぶ』ことは肯定したくないんでしょ?」
私「もちろん」
友「だから私の数え方は正しい」
私「飛躍しすぎててよく分からんよ」
友「ポケットティッシュのガワは1個じゃないんでしょ?」
私「うん」
友「単位の違う引き算はできないじゃん」
私「うん笑」
友「『1個から1枚をたくさん引いていって0個になる』のと、『1個から1個をたくさん引いていって0個になる』、どっちが納得する?」
私「まぁ、個から個を引くほうが単位としては合ってるけど、でもよ!でも、リンゴ1個からミカン1個は引けないやん」
友「…」
私「え、あれでしょ多分、ティッシュ一枚とガワで構成されたものを『ポケットティッシュ1個』って言うんだよ。残ティッシュの数は別で『枚』で数える」
友「え、じゃあじゃあ、もしぺぎんがティッシュ残り1枚のポケットティッシュを、ぺぎんの定義でいうところの10個持ってたとき、ぺぎんは『ポケットティッシュ10個持ってます』って言う?」
私「え〜言わないけど、その場合だと、たとえ君の数え方の定義でも『10個』っていう表現になっちゃうよ?」
友「でもさ考えてみて。ぺぎんの方の『10枚使ったら0個になる、10個のポケットティッシュ』と、私の『10個使ったら0個になる、10個のポケットティッシュ』。ぺぎんの方が詐欺じゃね?」
私「そうなっちゃうからやっぱり、ティッシュ残り1枚のポケットティッシュを10個持ってたときは、『ポケットティッシュ1個相当のティッシュを持ってる』って言う」
友「10個=1個…?」
私「う、ん。そゆこともあるよ」
友「(リンゴ)ー(ミカン)は認めないのに、10個=1個は認めるの?」
私「、、、。いやでも、、、ティッシュそのものを個で数えるのは認められない」
友「、、、。うん、私もそう思う」
私「、、、」
友「ごめんねダル絡みして」
私「wwwここにきてw」
友「だってどう考えたってティッシュ1個は丸ごと1個でしょw」
私「いやマジで頭おかしくなるかと思ったw」
友「日本語って面白い」
私「数学の教科書って凄いんだなって思った」
友「ん?」
私「いや、定義の正確さよ」
友「あーたしかに感動することあるかも」
私「それに比べてこの議論はホントにw」
友「ゴミだったw」
私「お、ティッシュだけに?」
友「ん。ティッシュってゴミか?」
私「ゴミの象徴みたいなとこ無い?」
友「ティッシュがゴミになる瞬間っていつだ?」
私「未使用だろうが何だろうが、ゴミ箱に捨てたときでしょ」
友「ポケットの中でクシャクシャになったときは?」
私「使えばティッシュ、捨てればゴミ、、、?」
友「じゃあそのどっちかに決めるまで、ポケットの中のティッシュらしきものは、ティッシュでもゴミでも無いの?え、じゃあじゃあ」
私「分かったw分かったからw早く席に戻りなさいw3時間目始まっちゃうでしょー」
友「はーいw あ”!思い出した!3時間目提出の宿題見せて」
キーンコーンカーンコーン
宿題の終わっていない友だちを一人残し、無常にも始業のチャイムが鳴る。