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心の穴

2024.08.08
ペぎんの日記#125
「心の穴」


何をしても満たされない苦しい時間というのを経験するようになったのはいつからだろうか。

特に休みの日。夜だろうが昼だろうが関係なくそいつはやって来る。
自分が何をしたらいいのか分からない。何をしても心が踊らない。世の中がひどく空虚で、退屈に感じる。

やるべきこと、やったら楽しいことは山程あって、普段はそれら全てに手を出せないことにもどかしさすら感じているはずなのに。なんでかな。

満たされない。そんな時間が少し続くと、私は怖くなって、とにかく応急処置で心の穴を埋めようとする。
ユーチューブを見て、お菓子を食べて、テレビを見て、本を読んで、挙げ句これは脳の興奮物質的な問題だと思って、コーヒーを飲んだり、家を飛び出して散歩に行ったりする。

でもやっぱり、そんなことじゃ心のポッカリは埋まらない。お腹だけがどんどんいっぱいになっていって、目が疲れてきて、体がしんどくなってきて。そして段々と、視野が狭くなっていく。

まだ「何かして元の状態に戻さないと」と、色々な策を試しているうちはいい。しかし長いことその時間が続くと、何をしてもこの状態から抜け出せないような、そんな気がしてきてしまう。

誰も、何も、私を楽しい世界に連れ出してくれない。こうなると分かっていた過去の私も、私を楽しい世界に連れ出すための工夫は、結局してくれなかった。
だってそうだよね。過去のあなたは幸せだもの。この心の穴を味わったあなたことのある、そのあなたですらも、''今''幸せなら、未来でいつか苦しむであろう私のことなんて考えやしない。なんとなく苦しい状態から抜け出せたことに安堵を覚えているだけだ。安堵は、次のリスクへの対処には繋がらない。

何が楽しくてこの世界を生きていて、この世界にいて何に感動し、何を悲しみ、何に苦しんでいたのか。
それをふと忘れる一瞬、心の中にポッカリと穴が空いたような空虚感に苛まれる。

なんで忘れちゃうのかな。なんですぐ、思い出せなくなっちゃうのかな。
今ならちゃんと、ハッキリと、この世界で生活することの面白さをあなたに伝えられるのに。


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