
パリは燃えているか 2
ギュスターブモロー美術館へはスムーズに着きました。グーグルMAPの俯瞰写真で網膜が擦り切れるほど道順をなぞった努力の賜物です。市民公園を過ぎトリニテ教会を曲がり孔雀(多分中華料理店)の看板を左折。ギュスターブモロー美術館は坂を少し登った少路にあります。
受付で先客が取り込み中なので待っていたら、手元のミュージアムパスを見て「どうぞ」とバーコードをスキャンして通してくれました。水戸黄門になった気分です。
美術館と言っても画家のかつての住居を改造したもので、らせん階段のデザインといい家具調度の色合いといい、年月がいい具合に風合いを醸し出している古風で趣のある館です。その壁面という壁面に所狭しと絵が陳列してあります。ギュスターブモロー美術館がスタート地点になったのは、月曜日でそれ以外の美術館がほとんど休みだったからです。ダリパリ、ルーヴルと並んでマストの美術館ではありましたが、パリ初日にしてはいきなりコアな場所に飛び込んだなと思いました。シュールで神秘的で少し怖く、なおかつストーリー性のある芸術に魅了され時間を忘れて見入ってしまいました。
画材も色々で、習作と呼べそうなものから完成作品まで様々です。サロメもオルフェもピエタもありました。不思議な空間を二階、三階と進み、それらがそれぞれ一階、二階と表示されているのを見ると、ああ、異国の地に来たんだと実感しました。ひときわ気に入ったでかい絵の前に椅子があったので一休み。ついでに写真も撮ってきました。たいていの美術館は、フラッシュさえ焚かなければ撮影OKです。

お昼はカフェ・トリニテでクロックムッシュとトゥデイズスペシャルのパリカフェ・デビュー。
サンラザール駅へ行き、ナヴィゴイージーのカードを手に入れ、散々間違えてやり直した挙句ようやく、十枚綴りの切符、カルネをチャージすることができました。これでバス地下鉄共通で10回は乗れます。ゲームならばさしずめ音楽が鳴って「主人公は機動力を手に入れた」とか表示されるところです。