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【時々エッセイ】猫の手ざわりは魔法でできている 98

家の中だけで生活させている猫。
いつも、外から帰ってきてもドアのぎりぎりにある結界で止まってそこからは絶対に出ようとしない猫。
だと思っていたのに、ある日突然出られたら慌てます。

猫柄のコタツと猫

家の裏側の2階に直通している階段を上がり、ドアを開けたらいつも通りルネがお出迎え。
いつものように「ママおかえりー」と猫語で言いながら一緒に家の中に入っていくと思いきや、外へてくてくと出て行ってしまいました。
こういう場合、驚いて大きな声を出すとそれにびっくりして逃げていってしまいます。
なので、驚きをコントロールする必要があります。
アンガーマネジメントならぬ、アストニッシュマネジメントです。
ちなみにこのアストニッシュは外国製の汚れがよく落ちる洗剤ではなく、驚きのことです。
ルネ、戻っておいでと呼びかけても戻ってこない。
とりあえず、荷物を置いて、そっと後を追います。
階段を降りていくと同じ距離を保って降りていきます。
距離が縮まらないからといって急ぎ足になったり走ったりしたら、やはり逃げていくのでここは慎重に。
猫にとって背後で誰かが走ったら、それは捕食者か縄張り主張者。
本能的に危険と思って全速力でダッシュします。
なので、大声は出さず、走らず、後を追います。
なぜ、今日に限って外に出たのかわかりました。
外で野良猫が鳥を狩り、裏庭に羽根が飛び散っていたのです。
何のニオイだろう、嗅ぎなれないニオイだから偵察に行かなくちゃ、と思ったのです。
何か怪しいものがいたら、僕がママとお兄ちゃんと弟を守るんだ、と思ったかどうかはわかりません。
とにかく、異常を認めて出動したルネは、それ以上遠くへ行くことをしませんでした。
鳥の死骸に触ったりしないうちにとそっと近づいて、一瞬でガッと捕まえて抱き上げます。
回収成功です。
抱っこに慣れていないせいで少し暴れるけど、とにかく家の中に連行。
怖いけど頑張って、今年のうちに裏庭をきれいにしておかないと。


サンタの次はツリー帽


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