遊びや学びのツールを創り、”動き”を捉える人に!~「私らしいはたらき方」について考える~
今回の投稿のテーマは「私らしいはたらき方」。これまで私は小学校教諭~学童保育、コミュニティー・スペースで働き、現在は保育園に勤務しています。では、いったいその中で「私らしいはたらき方」ができていた/できているなぁと感じる瞬間は、どのような場面なのでしょうか。印象に残っている出来事を振り返ると、朧気ながら「私らしいはたらき方」が見えてきました。
「私らしいはたらき方」ができていたと思う瞬間①~小学校教諭時代~
まずは小学校教諭時代に「私らしいはたらき方」ができていたと思う瞬間について紹介します。私は2年目に特別支援学級を担任させていただいたのですが、その時に様々な実践にチャレンジさせていただきました。例えば美術作品を観て子どもたちが協働で物語を創る、アナログゲームを使って主語・述語を学ぶ、お店屋さんを作って足し算の学習を行うなど…。子どもたちの姿と、身近にある物・環境を掛け算し、そこにどのような学びや遊びが生まれていくかを考えることが楽しくて、確かに多忙な日々の中ではあったけれど、その中で遊び・学びのきっかけが生まれるツール創りや子どもたちの”動き”を捉えることに夢中になっていました。
↑特別支援学級を担任した時に行なったパターンブロックを使った筆算の学習「ロボットづくり」。ブロック1つひとつをロボットのパーツに見立てて値段を設定し、子どもたちは自分の欲しいパーツを2つ選んで計算。筆算を解くことができたら、パーツを買うことができます。「繰り上がりが少ないパーツを選ぶ」「3つ以上パーツを買う」など、子どもたちが自分自身の計算スキルに応じて難易度を調整できるのもポイントです。
↑物語創りや主語・述語の学習では、ローリーズ・ストーリーキューブスなどのアナログゲームも積極的に使いました。
「私らしいはたらき方」ができていたと思う瞬間②~学童保育時代~
2年間小学校教諭として勤務した後、学生の頃から関心を抱いていた放課後の場へと転職。よりのびのびと遊びに携わることができるようになりました。その中で印象に残っている瞬間は、遊びのツールを創り、それを通して子どもたちが/子どもたちとの遊びが展開した瞬間だということに気付きました。これまでnoteにまとめた内容と重なってしまうため、今回は創った遊びを2つ紹介させていただけたらと思います。
まずは「オリジナル将棋」。当時小学5年生だった子どもたちが将棋に夢中になっていたため、より遊びを膨らませることができたらと思って作成しました。まずは駒づくりから行います。
↑こちらが「オリジナル将棋」のフォーマット。 ①真ん中に駒の名前を書くための円を描き、その周囲に進行方向を示す矢印を描くためのマスを上下左右ナナメ合わせて8マス作ります。 ②マスができたら進行方向を書いていくのですが、計8マス分移動できる矢印を割り振っていきます。例えば「前に8マス分進む」という駒にしても良いし、「前に3マス、後ろに2マス、右に3マス分進む」という駒にしても良いです。
↑「どの駒も計8マス分を割り振る」という点でゲームバランスを保ちました。また、子どもたちは真ん中の円に漢字のみならず戦国武将の家紋を描くなどの工夫をしていました。こうしてオリジナルの駒ができあがります。なお、駒をいくつ作るかはプレイヤー同士で相談して数を揃えると良いでしょう。
↑実際にプレイした様子。手前は干支をモチーフにした駒をつくった私、奥側は小学5年生です。結構な接戦になりました。
将棋に関しては、他にも「進化回り将棋」という遊びを考え、子どもたちと一緒に楽しんだことがあります。こちらのブログをご覧いただけたら嬉しいです。
また、「音」を使った即興物語創り遊び「音戯噺(おとぎばなし)」も作成。小学1~2年生の子どもたちがわいわい語り合いながら盛り上がって遊んでいました。
投稿が延びに延びて埋もれてしまっていましたが、「音戯噺」の遊びの展開はこちらのnoteにまとめてみましたので、もしよろしければご覧ください。
「私らしいはたらき方」ができていると思う瞬間~現在勤務している保育園~
ご縁があり、現在は保育園に勤務しております。これまで小学生たちと関わってきたため難しさや戸惑いを感じることもありますが、日々世界を探究し、遊びや生活を創っていく子どもたちの姿に元気や勇気をいただいています。まだまだ実践経験は浅いですが、その中で作成したものたちを2つ紹介します。
まずは、こちらの日めくりカレンダー。単に「日付を確認するもの」だけで終わらせたくないと思い、数字や曜日にちなんだ様々な写真を載せています。めくった後で、子どもたちと「こいのぼりって、どんな色があるだろう?」「綺麗な鳥の羽根があるねぇ!お散歩で探してみようか!」「日本では虹の色は7色って言われているけど、みんなは何色見えるかな?」などのやり取りを楽しんでいます。
2つ目は、「変身鬼ごっこ」カード。部屋で鬼ごっこや以前の保育園で遊んだという「バナナ鬼」を楽しんでいた幼児クラスの子どもたちの姿を見て、「タッチされたら〇〇になる」という仕組みを応用できないかと考えて創りました。
遊び方は次の通りです。
①鬼を決め、鬼は好きなカードを1枚選ぶ。逃げる人たちは、タッチされたら鬼が引いたカードに描かれているものになる
②タッチされた時の動きをみんなで考える
③後は、通常の「氷鬼」「バナナ鬼」同様、鬼にタッチされたら指定されたものに変身するという鬼ごっこを行う
この「変身鬼ごっこ」のポイントは「タッチされた時の動きをみんなで考える」というところにあります。このプロセスを通して、子どもたちは対話や共創造の力を育んでいきます。実際に使ってみると、子どもたちは様々なアイディアを考え出しながら遊びを展開させていました。例えば…
「ダンゴムシ鬼」の時、タッチされたらダンゴムシのように体を丸めるけれど、鬼が見ていない時には「だるまさんがころんだ」のように少しだけなら動いても良いというルールを考え出した
「どうしても『チューリップ』と『うさぎ』のカードを2枚選びたい!」という子がいた場面では、「ダンゴムシ鬼」を応用して、子どもたちが「タッチされたらチューリップに変身し、鬼が見ていない時にはうさぎになって逃げても良い」という新しいルールを考え出した
という姿が見られました。
以上、「私らしいはたらき方」ができていた/できているなぁと感じる瞬間についてまとめてみました。これまでのキャリアを振り返ってみると、どうやら「雇われている人」という意識を越えて、自分から「遊びや学びのツールを創ること」「それを通して生まれる子どもたちの”動き”を捉えること」ができていた瞬間に、「私らしいはたらき方」を感じるらしいということが見えてきました。
見えてきた「私らしいはたらき方」を実現したい…!
最近、これからの生き方・はたらき方について、悩み考えることが増えてきました。それは年齢的なものなのか、社会情勢的なものなのかはわかりません。けれど「ここまで『私らしいはたらき方』=『私らしい生き方』が見えているのに、それが実現できないことが悔しい」という思いが日に日に増しています。ビジョンが見えているのに、それを実現させるための方法が分からない…そんな状態です。
いわゆる「知育玩具」ではなく、子どもたちが/子どもたちと多様な人々とが遊びを共創造し続けることができるような社会づくりをするためのツールを開発したい
各地でワークショップや遊び場づくり(具体的な場所というよりは、遊びが生まれるきっかけとなる種を蒔きたい)をしたい
そんな思いを共有し、実際に「はたらく」に繋げることができる仲間や場と出会いたい
と切実に思っていたところ「#私らしいはたらき方」についての記事の応募に出会い、まとめてみました。今回の投稿がこれからの「私らしいはたらき方」「私らしい生き方」に繋がっていけば、こんなに幸せなことはありません。もし少しでもご興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。
長々と書いてしまい申し訳ございません。最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。