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本がもたらすUX 体験の基本的な考え方が詰まってます

「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」という本を読みました。
著者は「嫌われる勇気」の著者でもある古賀史健さん。

不勉強で「嫌われる勇気」を読んだことがなく、古賀さんのお名前も存じ上げなかったのですが、書店で見つけて「気になり」購入しました。

内容のことは置いておいて、本というのはさまざまな要素で構成されているのだなと改めて感じたので書いておきます。

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本の構成要素とは

内容のことは置いておいて、と上記しましたが、本と言う「コンテンツ」は、書店で見つけて買うかどうかを検討する要素だけでも、内容以外を含め少なくともこれぐらいあります。

・タイトル
・内容(目次、
はじめに、本文)
・カバー
・帯(推薦文)
・判型、厚み
・紙質、印刷
・レイアウト
・価格
・評判(POP)
・お店(並べられている場所、雰囲気)

当然ですが店頭で内容を全て読んで、買うかどうか決めてるわけではないので、上記の要素の複合で買うかどうかの意思決定をします。
一体何が「気になって」購入に至ったのか本書を例に分析したと言えば大袈裟ですが、考えてみました。

本屋に入ってから購入を決定するまで

自分の場合は書店に行き、一回ぐるっと気になる本があるか探します。そしてパラパラっとめくって単行本であれば「はじめに、目次」あたりを読みます、そして置いて、また別の本を見つけて「はじめに」を読んで、と繰り返します。

一通り書店を巡った後、気になった本を買うか、もしくは印象に残るものがなければ買いません。

大体最初に手に取った時に、買うか買わないかぐらいまで気にいるかどうかわかるのですが、判断しているのはおそらく先ほどあげた項目です。
本によって何が決め手になるかは違いますが、この本を買う時に大きな印象になったのは「本の厚み」「手触り」「レイアウト」「はじめに」「価格」あたりです。
それぞれの項目で何が引っかかったのか下記します。

判型、厚み

本のデザインをする上で判型と厚さは、非常に大きな要素です。本を作るときは束見本という実際に作る本と同じ紙で見本を作るぐらい重要です。
この本の場合、並製本で厚さは3cmと通常の本に比べるとかなり厚めのサイズ感です。また判型も148mm*210mm(A5)と、よくある単行本の四六判127mm×188mmと比べると大きく感じます

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自分は電車の中以外で本を読むことが少ないのですが、正直持ち歩いて読みたいと思うサイズ感ではありませんでした。むしろそういう意味で言うとこのサイズ感はネガティブに感じました。
一方で、作り手が持ち運んで読んでもらうよりは、家でじっくり読んでもらいたいという意思を感じ、力を入れているという気概を感じました。
以上を踏まえて「この一冊でいい」というキャッチコピーをみると、家に一冊置いておきたいという気持ちも掻き立てられます。

紙質、印刷

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本書のカバーデザインは見ていただいた通り文字と、とても淡いブルーだけで構成されていてかなりシンプルです。ただ、触った時に全体に施されたマットニス(多分)とタイトル文字にはグロスニス(多分)が施されており、触った時に、おっ、というわずかな驚きといつまでも触っていたくなる気持ちよさがありました。
使われている紙も少しふんわりした紙で柔らかな印象を受けます。

レイアウト

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この本の天地左右のマージンはかなり幅広く小口側が2cm、天地はそれぞれ3cmもあります。これだけマージンが広いと本を読んでいる時の周辺視野に余計なものが入り込むことが少なくより本に集中できます。

内容(はじめに)

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どんなに装丁が良くても内容に惹かれなければ買う理由はありません。はじめに(本書ではガイダンス)を読んでこの本が誰のための本なのかを読み興味が湧いたのは大きな理由です。

価格

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最後に価格です。本書の価格は3,300円です。大体普通の単行本が1000-2000円の間であることを考えると3,300円という価格はかなり高く感じます。
それでも買おうと思ったのはこれまでに見てきた要素はもちろんですが、3,300円という値段自体もこの本に価値があると考えさせられる一つの要素でした。

ちょっと脱線しますが、全く同じメーカーの品物であっても自分がそれに対していくら払うかで物の価値や自分にとっての意味は変わると思います。例えばTシャツでもセールで2,500円で買ったものと、定価5,000円で買ったものは自分の中に生まれているものが違うと思っています。なので高いか安いかという意味は経済的な意味だけでなく自分が何を経験したいのかという視点で考えた方が良いと思います。

本という体験

上記を考えながら本屋をぐるっと回って、最後にもう一度この本が並べられた棚に向かい購入しました。
本を選んでいる時間は、大体1時間ぐらいだったと思います。

本のデザインはUXという観点で考えてもさまざまな要素が散りばめられています。
普段本を買う時今回あげた内容を一つの一つ考えて検討しているわけではありませんが、作り手がイマジネーションしていることは潜在的に必ず伝わります。

ものづくりをする時のイマジネーションの広げ方はなるべく広く、考え抜くことの大切さを感じました。

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