クリニックでミッション・ビジョンつくる意味ってあるの??
クリニックのミッション、ビジョンは誰のため?
最近開院しているクリニックのホームページを拝見すると、もれなくミッション、ビジョンなどが掲載されているのを目にします。でも、これって誰に向けてのメッセージなのでしょうか? 患者さんに自分の想いを知ってもらいたいという気持ちをあると思いますが、実際には自分自身の軸の表明と、スタッフをまとめていくための道標とすべきではないかと考えています。
経営戦略の最上位にはビジョンや経営理念が存在し、それに基づいてマーケティングも人材マネジメントも決まってきます。つまりこの部分がぶれてしまうと、診療所自体の方向性も定まらないことになってしまいます。
多くのクリニックではミッションやビジョンを設定したものの、単なるお題目になってしまい、有名無実化しているところも多そうです。
開業の時にせっかく決めた自分の軸やクリニックの道標を
どうすれば有効に活用していけるのでしょうか。
クリニックになじむ「パーパス」という視点
最近は、「ミッション」という視点ではなく、より社会とのつながりを重視した「パーパス」経営が注目されています。
クリニックはもともと医療という社会的事業を行っていますので、「パーパス」との親和性は非常に高いと考えています。例えば、
➀ 患者さんに対しては、自院が地域の中でどのような貢献を行っていくかを宣言し、それを実行していくことで信頼を得ていける
② スタッフに対しては、社会に貢献しているという感じやすくなり、エンゲージメントの向上にもつながってくる。
といった診療の質を上げる上でも意義深い効果があると考えています。
ビジョン、ミッション、パーパスの関係
ビジョン、ミッション、パーパスの関係ってあんまりよくわからないなあと感じていたのですが、この3者の関係を理解するのに、ビジョナリーカンパニーZeroでの説明が一番しっくりきました。
本書では、ビジョンは ➀コアバリューと理念 ②パーパス ⓷ミッションの3つの要素で構成されていると説明されており、
例えば、山岳地帯を歩いている時の指標となる星を”パーパス”、その時に上っている山を”ミッション”と例えていました。
つまり、”ミッション”という一つの山を登りきった後に、”パーパス”という星を見上げて方向を間違えないようにして次に登る山を決めていく、この行動を”コアバリューと理念”に基づいて繰り返して進めていくことで”ビジョン”が達成されると理解しました。
よくミッション、ビジョン、バリューがピラミッドで書かれて
ミッションがビジョンの上位に来る図がありますが、個人的にはビジョンをミッションの上位としているこちらの方がすっと入ってきました。
結局は実行力を持たせることが肝要!
ビジョンでもミッションでもパーパスでもどれでも良いのですが、
言葉遊びで終わらせないように、
如何にそれらに基づいて組織を作っていくかが重要なんだと感じています。
何かあればそれに立ちかえるし、何かするときにそこを起点にするような
理念設定がクリニックづくりにも大切なんだと思います。