ped-hiro

某医療法人の小児科グループ統括。 地域から信頼される小児科クリニックグループを目指して奮闘中

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最近の記事

雇われ院長が考える分院展開の難しさ(3)

雇われ院長が考える医師の採用  前回まででお伝えしたように、医師採用と彼らのモチベーションの維持は分院展開にとっては大きな難所となります。私自身も雇われ医師ですが、小児科部門に関しては医師採用にも関与しており、多くの医師の面接を行ってきました。今回は雇われ医師だからこと感じる医師採用のポイントについてお伝えしたいと思います。 誰をバスに乗せるか? ジム・コリンズの名著である『ビジョナリーカンパニー2』に「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることも

    • 雇われ院長が考える分院展開の難しさ(2)

      クリニックチェーンおけるKSFとは  コンビニ的価値を提供するクリニックチェーンにおけるKSFは、医師をどれだけプールできるかということに掛かっています。1年365日、同じ医師が稼働することは不可能ですので、クリニックのオペレーションをしっかり仕組み化しておいて、その一つのパートを多数の医師が担うということになります。そういった点においては、医師の数の多い関東、関西圏以外の都市でのクリニックのスケール化は困難であると思われます。また、地方であれば医局の人事的な締め付けも強い

      • 雇われ院長が考える分院展開の難しさ(1)

        2極化する患者のインサイト  患者が小児科クリニックに求めているものは、➀親身に話を聞いてくれて対応してくれる身近なかかりつけ的存在と②気楽にいつでも診てくれるコンビニ的存在に2極化しています。こういった傾向は昔からあり、コロナ前まではコンビニ的なニーズ、コロナ禍では不安によりそうようなかかりつけニーズ、そしてポストコロナの多様な感染症の流行により再度コンビニ的なニーズが優勢になってきているという状況です。  コンビニ的なニーズに対応するのは、経営に熟達した人材を抱える大手

        • 雇われ院長が考える分院展開の難しさ(0)

          個人のクリニックの分院展開ブーム  コロナの非常事態宣言下で大幅に減少した小児科の患者数も、以後の各種感染症の流行から大幅に改善しています。結果として、朝から保護者による予約争奪戦が繰り広げられ、希望の時間に受診できなくなっているなど、地域によっては小児科のリソース不足を感じる地区もあるかもしれません。  そういった状況で、自院の診療を拡大して患者さんのニーズに対応していきたいと考えるのは、地域の開業医としては当然の流れかもしれません。しかし、分院を展開するとなると一院の

          クリニックでミッション・ビジョンつくる意味ってあるの??

          クリニックのミッション、ビジョンは誰のため? 最近開院しているクリニックのホームページを拝見すると、もれなくミッション、ビジョンなどが掲載されているのを目にします。でも、これって誰に向けてのメッセージなのでしょうか? 患者さんに自分の想いを知ってもらいたいという気持ちをあると思いますが、実際には自分自身の軸の表明と、スタッフをまとめていくための道標とすべきではないかと考えています。  経営戦略の最上位にはビジョンや経営理念が存在し、それに基づいてマーケティングも人材マネジ

          クリニックでミッション・ビジョンつくる意味ってあるの??

          チーム作りも雇われ院長の仕事だ!

          多くの雇われ院長は、スタッフも診療システムも法人本体が用意してくれて、その中で医師しかできない診療活動を行うことで報酬を得ています。 そのため、クリニック全体をマネジメントするという視点が欠けたまま、俺様意識が抜けずに院長を務めている医師が多いかも知れません。 マネジメントの仕事が面倒だから雇われ院長をやってるんだ!    と言われればぐうの音もでないのですが、せっかくなら楽しく仕事して、業績も上げてインセンティブもらった方が良いですよね。 スタッフに自分の作りたいクリニ

          チーム作りも雇われ院長の仕事だ!

           良質な患者体験を提供する

           最近はCS(カスタマーサティスファクション:顧客満足)よりCX(カスタマー・エクスペリエンス:顧客体験)を重視する企業も増えてきたと聞きます。  顧客の満足には、商品の機能や価格に「合理的に満足する」ことと提供される一連のサービスに対して「感情的に満足する」2種類が含まれていて、前者は不満を持つ顧客とあまり変わらないが、後者の方が企業に収益をもたらす行動をとると言われています。CSはこの2種類を同時に評価するものであり、より「感情的に満足する」という視点に絞ったのがCXと言

           良質な患者体験を提供する

          クリニックの目指す方向を決める

          結構うちの法人は自由度が高いので、特にクリニックの運営に対して口を出されることはありませんでした。コロナまでは、のほほんと診療してても、それなりの患者さんは来てくれていたので、病院勤務医の感覚が残っていて、自分がクリニックの舵とりをしているという意識は正直希薄だったと思います。  しかしコロナ流行当初では外出自粛や集団生活の制限によって、感染症の罹患が大きく減少したため小児科クリニックは大幅な減収となり、雇われ院長といえども流石に危機感を感じていました。小児科の減収は当法人

          クリニックの目指す方向を決める

          雇われの院長こそMBAへ行け!

          雇われ院長である私が、多くの雇われ院長の先生方にMBAでの学びを進める理由は次の通りです。 1. 時間を有効に使えます 病院勤務医時代の呼び出しや当直などから解放され、自分でコントロールできる時間は圧倒的に増えます。しかも経営者のように、さまざま折衝なども行う必要もないことから、時間に追われるようなことはないと思います。 さらにコロナ禍で飲み会や旅行などの他の趣味に費やせる時間も、医療関係者であるが故にとりにくいのではないでしょうか。 Netflixを見ながら、高い酒を自

          雇われの院長こそMBAへ行け!

            雇われ院長 MBAでまなぶ

          医者っていろんな働き方があって、一般には病院の勤務医とクリニックの開業医がイメージしやすいと思います。  ただ、クリニックの院長といっても、実は自分で資金を出して開業されてる先生だけではなくて、雇われで院長をやっている私みたいな存在もおりまして・・・ なんで自分で開業しないの??その理由を端的に言うと・・・ ”面倒くさい” という一言に尽きます。 成功するかもわからないのに、 カネ系からヒト系の問題まで、 自分で背負ってやれるほどの度胸も無いんですよね~ たまたま医

            雇われ院長 MBAでまなぶ