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デュピルマブは、子どものアトピーマーチを予防する?|2024年11月17日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アトピーマーチとは、アレルギー疾患が次々と発症する現象をいいます。

■ アトピーマーチ(アレルギーマーチ)とは、アレルギー疾患の自然経過の中で、さまざまなアレルギー疾患が次々に発症していく現象です。

■ アトピー性皮膚炎がもっとも最初に発症するケースが多く、経皮感作をきっかけにさまざまなアレルギー疾患を発症する可能性があがります。

■ 皮膚の炎症が進むと、Th2サイトカインという、アレルギー体質を悪化させる情報伝達物質が大きく増え、皮膚のバリア機能をさらに下げつつ、感作が進むことが原因であろうと考えられています。

■ 最近、日本から発表されたPACIスタディは、早期のアトピー性皮膚炎の積極的な治療が、その後の鶏卵アレルギーのリスクを下げることを示しました。

■ 一方、Th2サイトカインを減少させる生物学的製剤が、生後6ヶ月から使用できるようになりました。有効性は高く、安全性もある程度わかっています。

■ そのような生物学的製剤を小児に使用した場合、アトピーマーチへの進行を少なくするのでしょうか?

■ 最近、そのようなテーマによる報告がなされました。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

デュピルマブを新規処方された2,192名の小児アトピー性皮膚炎患者と、従来型免疫調節薬を処方された2,192名の患者を対象に、最大3年間の治療効果を比較した。

✅ デュピルマブ群では、アレルギーマーチの進行リスクが従来治療群より32%低かった(HR 0.68, P<0.001)。
【簡単な解説】アトピーマーチは、アトピー性皮膚炎から始まり、喘息やアレルギー性鼻炎が続く現象を指す。デュピルマブは、この進行を従来の治療法に比べて3割以上減らすことが示された。

デュピルマブ群では、喘息の発症リスクが従来治療群より40%低かった(HR 0.60, 95%CI 0.45-0.81)。
【簡単な解説】喘息の発症リスクがデュピルマブで約4割減少することが確認された。




以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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