じんましんはいつ、治りますか?
プロローグ 蕁麻疹とは?
蕁麻疹は、一過性(長く続かない)に、膨疹(蚊に刺されたような膨れた発疹)や紅斑(赤くなった発疹)が出てくるもので、多くは痒みがあるとされています。
慢性蕁麻疹とは蕁麻疹が長期間続いたものです。
期間に関して、以前のガイドラインでは以下の様に定義されていました。
発症してからの期間が 1 カ月以内のものを急性蕁麻疹,1 カ月以上経過したものを慢性蕁麻疹と呼ぶ.(以前の蕁麻疹診療ガイドラインより)
それが2018年のガイドラインでは、海外のガイドラインに合わせて「6週間」に変わりました。
ですので、論文や強化を読んでいると、「あれ?」ということが多いので注意が必要です。
急性蕁麻疹は、外来でも珍しくはありません。そしてその場合の対応はそれほど難しくはないでしょう。
「抗ヒスタミン薬を処方する」で多くは改善します。
ですので、救急外来の場面では(アナフィラキシーといった病態を除き)、困る場面は多くはありません。
プロローグ2 困る場面も多くあるはずです
では、目の前に受診された「急性蕁麻疹」の患者さんに、「いつ頃治まりますか?」とか、「慢性蕁麻疹」の患者さんに、「1年後にどれくらい治っていますか?」と尋ねられて、お答えできるでしょうか?
適切な予後をお伝えすることはとても重要ですよね。
そして小児でも、慢性蕁麻疹は、思った以上になかなか治ってこないことが報告されています。
今回は、ガイドラインにはあまり書いていないような、慢性特発性(原因がはっきりしない)蕁麻疹に対し、どのように患者さんに伝えるかをかいてみました(ガイドライン自体は極めて重要です)。
※この記事は、専門医・医師向けです。
=更新履歴=
2019.4.14 初版 第1章~第4章
2019.5.4 細部の修正とまとめを追加(一応の完成、150円に値上げ)
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第1章 こどもの蕁麻疹はどれくらいあるのでしょうか?
蕁麻疹はありふれた病態にもかかわらず、有症率調査は極めて少ないです。
日本に近い韓国での大規模な有症率調査が参考になります。
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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊