かなしくて仕方がない

かなしい
かなしくて仕方がない

なにがかなしいのか
あーかなしいな
かなしい

理由はわかってる
かなしみに理由がないなんて
そんな傲慢たまったものじゃない

言いたいこと言わないラクな道
言わなきゃいい方がいいやさしい道

でもかなしい
かなしみの理由に
人として思うべきではないことが
たくさん
それはたくさん含まれてて

だからかなしい
もっともっとかなしい

かなしくて沈んでしまう
陳腐な言い方

かなしいな
あぁかなしい

一度降ろした扉を
こじ開けられたわけではないけど
開けてほしいと
言われたわけでもないけど
開けてほしそうだと
勝手に思って
勝手なやさしさと
勝手な見返りを
求めてしまったから

あぁやっぱり開けなきゃよかった
降ろしたままにしておけばよかった

せっかく開けたのに
あなたのために開けたのに
一度降ろしたのに
それでも開けたのに
その可能性にかけて開けたのに

開けて開けて開けたのに

やっぱり開けなきゃよかった
なんて
思いたくもないのに

あぁかなしい
かなしくて仕方がない

人は忘れる生き物なんて
そのときは忘れてなかったじゃない

うまくいけば
うまく忘れられるの

勝手に忘れたの
勝手に忘れられた

覚えてなきゃよかった
覚えようとか覚えないとか
そういうことじゃなくて

あぁやめておけばよかった
でもそんなこと
そんな非情なことを
人間どうやったって
できるわけないじゃない

あぁかなしい
かなしくて仕方がない

理科室で
その椅子に座らなければよかった
桜の木の下で
そのまま流れていけばよかった
駐輪場で駅のホームで改札で

ぜんぶぜんぶぜんぶ
忘れてしまいたい

あぁかなしい
かなしくて仕方がない

背中を押してあげることと
私が踏みつぶされること

そんなことで、と
思ってるかも知れないけれど

そんなことがどうかを決めるのは
わたしだけ

そんなことがそんなことなのか
そんなことで
そんなことなのに
そんなことごときで

かなしまないでよ
かなしまれると困る
かなしんでるなんておかしい

おかしいのかな

そんなことでかなしんで
こんなにもかなしんでる

勝手におかしいって決めて

おかしいって決めるのは
おかしいって決められるのは
あなたではないかもしれないということに

あなたではないかもしれないということを

一度も考えたことはないのでしょうか

かなしいな
あぁかなしい
かなしくて仕方がない

朝になると
なにがかなしかったのか
どうしてかなしかったのか
なにをかなしいと思って

かなしくてかなしくてかなしいなって
思ったのか
忘れてるの

たいしたかなしさじゃないのかもしれない

でも


でもかなしい

はやくかなしくなくなりたい
かなしさから離されたい

かなしい

開けたのに

一生冬の海でいいわけじゃないのに

開けたのに

春になると忘れるんだね


座らなければよかった
開けなければよかった
もうこれ以上

もうこれ以上開けられない

もう開けられないよ

かなしい
かなしくて仕方がない

かなしいな
かなしい

開けなければ

かなしくて

仕方がないよ

#悲しい #詩 #かなしい #日記 #備忘録 #気持ち #メモ #エッセイ


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