母の後悔

　最近母に昔のことについて謝られたことがあります。

私の家は毎年、正月に特別なものを食べたりする習慣がありませんでした。強いて言えば、おめでたい雰囲気があるので、普段よりよいお肉を食べようというような家族でした。
そんな環境なので、小さい頃の私は母に学校のみんなが話しているおせちというものが食べてみたいと話しました。すると母は高いだけで全然美味しくないよ、と一蹴。私は残念に思うも、どうせ死ぬまでに一回くらい嫌でも食べる機会はあるだろうとあまり気に止めませんでした。

あれからもう１０年以上経った今、母にあの時食べさせてあげなくてごめんねと謝られました。私が驚いたのは、そんな些細なことを覚えていたことはもちろん、それをずっと気にしていたことでした。
去年、友達からもらったのよ、と嬉しそうにおせちの写真を送ってきた母。私は早めに休暇をとり帰省しました。

実際おせちは豪華な見た目とは裏腹に味はこのみではありませんでした。やはり母は私が好きじゃないことまで分かっていたのでしょうね、頭が上がりません。

そんな些細なお話でした：）