呼吸の評価〜とりあえずのまとめ〜
呼吸のプロセスを分解し、身体所見からそのプロセスのどこが障害されているかを特定して行く過程について、説明してきました。
本来は、どんな身体所見が、どのプロセスの障害で出現しうるのか?あるいは、どんな身体所見があれば、どのプロセスの障害を疑うのか、議論を進めるべきなのですが、長くなってきましたので、一旦ここまでの経過をまとめて、それぞれについては機会を改めてご説明しようと思います。
以下、呼吸の評価のプロセスを概観します。
(1) 呼吸は悪いのか?
① 呼吸数・1回換気量(胸郭の持ち上がり方)の変化はないか?
② 呼吸補助筋の使用はないか?
③ 引っかかったような音(= 喘鳴)はしていないか?
④ 横(あおむけ)になれるか?
これらの兆候があれば、呼吸努力が増している、つまり「呼吸が悪い」と判定する
(2) どれくらい悪いのか?
つまりどれくらい心停止が差し迫っているかを考える。
● 呼吸窮迫
呼吸努力が増している
● 呼吸不全
呼吸努力を増しても酸素が取り込みきれない、二酸化炭素が吐ききれない
(SpO2 が低下する、血中二酸化炭素分圧が上昇する)
(3) 呼吸のプロセスの「どこ」が障害されているのか?
身体所見をもとに、障害部位を特定する。
(4) 重症度と呼吸障害のタイプを決定する
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小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン