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リンボウ先生の文章術教室

林望著「リンボウ先生の文章術教室」を読んだ。文章術に関する本の読後感を書くのはいつもちょっとした緊張が伴うが、終始心を弾ませながら読んだ本なのでしっかり記録しておこう。

たちまち付箋でいっぱいになった。ブログやSNSで日々とりとめのない文章を書いている身には、為にもなるが、耳が痛いことだらけである。一番イタタタとなったのは、品格を下げる文章について書かれているところだ。リンボウ先生はおっしゃる。流行語、紋切り型、手垢のついた表現の安易な使用、これがまた品格を落とすほうのチャンピオンです、と。

〜にこだわる。
〜ばっちり。
地球にやさしい〜。
終わってみれば〜。
〜と思っているきょうこのごろ。
〜という部分で〜。
なんともやりきれない〜。

例として挙げている表現の数々に、あぁ、使ってしまっていますと反省しきりだった。「反省しきり」なんていう言い方も、もしかすると品格を下げているのかしら。まず、品格があるのかないのかを判断できていないことが問題だ。リンボウ先生のおっしゃる品格のある文章を浴びるように読みたい気持ちに駆られた。品格のある文章とは、少なくとも自分の言葉、自分の表現を追求した言葉で書かれている文章だと私なりに解釈したが、あっているだろうか。

この本を読んでいると、私が書くものもそうなり得ると信じて文章を書きたくてたまらなくなる。耳が痛いことだらけで反省しきりなのに、人々が読んでくれる文章を書く未来を思い描いている。リンボウ先生にお礼が言いたくなった。勇気と力が湧いてくる本をありがとう。

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