もっと思い出を作りたかった
付き合ってるのかどうかわからないくらい何もない2人だった。
「別れようか」の一言で私たちは付き合ってたんだと実感した。
好きだったから我慢できたことがいっぱいある。
好きだったから我慢できなくなってしまった。
もっといろんなところに行きたかった。
一緒に綺麗な景色を見て時間を忘れてみたかった。
クリスマスにはイルミネーションなんか見てみたり。
大きな生き物を見て圧倒されて、自分たちの小ささを実感しちゃったり。
たまには家で何もしないでただ2人でいて、お腹が空いたら近くのラーメン屋さんに行ったり。
そうやって、いろんな種類の思い出を記憶に残しておきたかった。
何もない2人だった。
思い出すのは、家の中で2人きりただ時間が流れるのを感じるだけの休日。
出かけることなんてほとんどなくて、日常に溶け込みすぎていた。
この前出かけることに誘ってくれたとき、すごく嬉しかったのに「もう遅い」って思った。
「忙しい」といつも言ってる彼に気を遣いすぎて誘えなかった。
だから誘い待ちしかできないのがつらかった。
会いたいときに会えないということが限界だった。
こんなに苦しいのに、時間は容赦なく過ぎ去っていく。日常が襲ってくる。
ただ、これから来る日常に彼の姿はないのかもしれない。
溶け込んでいると思ってたけど、実はそんなことはなくてずっと分離していたのかもしれない。
そんなものか。
これを書きながらずっと泣いている。明日は仕事なのになあ。目が腫れたら嫌だなあ。
言いたいことが上手く言えない。わたしの悪い癖はいつも最悪のタイミングで顔を出す。
そんなものだ。