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「フォークソングのアメリカ〜ゆで玉子を産むニワトリ〜」読書レポート②
前回に続き、ウェルズ恵子さん著「フォークソングのアメリカ〜ゆで玉子を産むニワトリ〜」を読んでアウトプットします。
(前回の記事はこちら https://note.com/peakletters/n/ne091e9c1fd06 )
さて今日は、サブタイトル「ゆで玉子を産むニワトリ」の由来になった曲をご紹介。
The Big Rock Candy Mountain / Harry McClintock
ビッグ・ロック・キャンディ・マウンテンは、ハリー・マクリントックという人によって書かれた曲です。
・・・と言っても、フォークソングは口頭伝承で広まったので、元ネタはどこか別な人が書いたものかもしれません。
ハリー・マクリントックは1884年生まれ、アメリカ人。鉄道員や、ラジオパーソナリティ、詩人、シンガーソングライターとして活動しました。
さて、そんな彼が書いた曲「ビッグ・ロック・キャンディ・マウンテン」いったいどんな曲なんでしょうか。
歌詞の概要を紹介します。
ある放浪者が、声高らかに「理想の地へ一緒にいかないか?」と呼びかける所から曲は始まります。
その理想の地、とはどんな所なのかというと・・・
・草むらに行けば配給をもらえる
・タバコのなる木に、岩間に流れる酒の小川
・レモネードの泉の周りでは、青い鳥が歌を歌う
・ニワトリは半熟卵を産む(ここがサブタイトルに引用されてます)
・仕事を生み出した人は吊るされる
・一日中ゴロゴロして過ごせる場所
いかがでしょうか。
この曲の歌詞を調べて、今も昔も変わらない人間の性に、軽い脱力感を覚えました。人間は元来、怠け者なんですね。
とはいえ、実際はそんな怠けた生活では、生きていくことは難しかったことでしょう。時に命を脅かされるような厳しい労働環境も、当時では珍しいことではありませんでした。
死が今よりもっと身近に存在した暮らしを送る一方、叶わぬ願いを歌の世界に描くことで、彼らは心のバランスをとっていたのではないでしょうか。
私ごとですが、連休初日の開放的な気分の中、この文章を書いています。
喫茶店で、ゆで玉子の殻をむきながら、心地よいJAZZに耳を傾ける豊かな時間。
「ビッグ・ロック・キャンディ・マウンテン」はもはや現代において理想郷ではなく、現実に存在しているようです。
よろしければリンクから聴いてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。