京楽堂さんの消しゴムはんこが圧巻です。 『人類は感染症とともに生きていく 〜学校では教えてくれないパンデミックとワクチンの現代史』
こんにちは。PEAK books編集部の編集者Sです。
今回は、『人類は感染症とともに生きていく~学校では教えてくれないパンデミックとワクチンの現代史』の装幀についてお話しさせてください。
(本書の内容については、前回の記事へ)
本書のカバーには、感染症と切っても切れない関係をもつ蚊やダニ、そして新型コロナウイルスなどが載っています。
じつはこれ↑、イラストではなく“消しゴムはんこ”なのです。
消しゴムはんこ作家の京楽堂さんに本書の内容に合った図案をデザイン、作成いただきました。
京楽堂さんは大学で生物学を専攻しシアノバクテリアの研究をされていたという、異色の経歴をお持ちのはんこ作家さんです。
卓越したデザインセンスと技術に加えて学術的なバックグラウンドをお持ちの京楽堂さんによって生み出された作品は、私の中の消しゴムはんこの固定観念を吹き飛ばしてくれました。
今、感染症を語るうえで避けては通れない新型コロナウイルスと防護服ですが、それを消しゴムはんこで表現した書籍は、世界中で本書だけではないでしょうか。
新型コロナウイルスの研究は日々進んでいますが、その成果を消しゴムはんこという形で世に伝えるために最新の資料を調べながら作成してくださったそうです。科学に対する誠実な姿勢が溢れ出るエピソードに、私は感動してしまいました。
感染症を媒介する蚊とダニ。蚊の緻密さにほれぼれします。ダニの脚の向きが一本一本異なっていて表情豊かなところにも、ぜひ注目していただきたい!前脚の曲がり具合から察するに、「やんのかコラ〜、シャーッ」と言っているに違いありません。
表紙だけではなく、本文中にも印影を掲載しました。
緻密なのにどこかほっこり感が漂う印影によって、「感染症の正しい情報をわかりやすくお伝えすると同時に、未来に向けたポジティブなメッセージを伝えたい」という本書の編集方針を表現できたのではないかと思います。
我々編集者は本を魅力的にするために色々と知恵を絞り、著者はもちろんのこと様々な業種の方と協同して1冊の本を作り上げます。各分野のプロの力をお借りして書籍の輝きがより一層増していく過程を目にするたびに、編集者冥利に尽きると感じます。本書はまさに冥利に尽きる体験ができた1冊となりました。
京楽堂さんのTwitterでは、本書用にお作りいただいたはんこをはじめ素晴らしい作品の数々が紹介されています。ぜひご覧ください。
判子作家 京楽堂
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『人類は感染症とともに生きていく 〜学校では教えてくれないパンデミックとワクチンの現代史』ミーラ・センティリンガム/著 石黒千秋/翻訳
→レーベルサイトで、「序章」全文を立ち読みできます。
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