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「書」を真似したら?」
お正月が近づいてきましたが、年賀状終いをする人は4割近くに昇るそうです。
そんなとき、「書」についての著作権をお話しします。
![](https://assets.st-note.com/img/1735524732-5xwlZsBWb3TedaERuq2J0MPC.png)
答えは、YESです。この文字をそっくりそのまま真似したら著作権侵害です。
一般に、字体には著作権はありません。
しかし、著作権のあるフォントもあります。さらに、
書道になると、芸術的で美的鑑賞の対象となるものが多く、著作物と認められます。
しかし「動書」事件では複製とは認められませんでした。
「動書」事件
原告:書家であり、「動書」という書籍出版
被告A:「横山整骨院」の看板を掲げ、整骨院経営。
被告B:「鶴」の看板を掲げ、スナック経営。
被告らの看板の文字が、「動書」からとったものである、だから
・複製権侵害
・原告の氏名も表示していないから、氏名表示権の侵害
と原告が主張しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1735524732-j4ENOp27miafXlM316vzWQn0.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1735524732-CBFMWQoXnasVwUt4h3zERr7j.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1735524732-fvCGwOu5kQWHYdo14bVx0irM.png)
以上、最高裁ウエブサイトよりダウンロード
字体は著作物ではない
裁判所が判断したのはまずこの点です。
字体は同一人が書いても、多くの異なったものとなり得る。
つまり、同じ人が書いても、その都度、違った文字になります。その人の固定した字体というものはありません(字の癖というのはありますが)。
したがって、字が似ているからと言って、複製権の侵害とすると、一人に広範な独占的な権利を認めてしまうことになる、と判断されました。
この事件でも、複製ではない
整骨院やスナックの看板の本件についても、複製とは判断されませんでした。
「字体の間には、一見して明らかな相違があるか、せいぜい字体が単に類似するにすぎない」
↡
「動書」に掲載の書の複製ではない
ただし、書道の場合、「墨の濃淡、かすれ具合、筆の勢い」などに著作権が認められることがあります。
しかしこの事件ではこれも類似しているとは認められないと判断されました(昭和62(ワ)1136、東京地裁)。
・墨の濃淡
・かすれ具合
・筆の勢い
などには著作権が認められることがある、という含みを裁判所は判決のなかで残しています。
ですから、書道を模倣してはダメです。