「次々と仕事を変え、仲間を変え、パートナーを変え、人間関係を途中で抜け出す。劣等コンプレックスである」
人間関係を途中で抜け出す人たち
転職を繰り返す人、結婚と離婚を繰り返す人、友だちと長い付き合いができない人に対して「彼(女)らはしばしば有利な結果を出すところまで到達することなく、友人、愛のパートナー、仲間、仕事を変える」とアドラーは指摘しています。
なぜ途中で投げ出すのか
なぜ、最後までやり遂げずに途中で投げ出すのでしょうか?
それは彼ら彼女らが劣等コンプレックスを持っているからです。
つまり、強い劣等感に支配されており、失敗することを怖れて、最後までやり遂げずに途中で投げ出すのです。
失敗せずに済む
途中で投げ出すと、成功や失敗という結論が出ません。つまり、失敗が確定せずに済むのです。
これは失敗を怖れる劣等コンプレックスを持つ人にとっては魅力的な方法です。
「最後までやり遂げたら、できたかもしれないのに…」と「可能性の領域」に逃げ込むことができるからです。
途中で逃げ出すことは失敗ではないのか?
アドラーは途中で課題から逃げだすのは、可能性の領域に逃げ込むと言いましたが、私は途中で逃げ出すことは、課題をやり遂げられずに失敗しているのではないかと考えます。
つまり、逃げ出すから失敗しないのではなく、逃げ出すこと自体が失敗なのではないかということです。
私は20代前半で一度転職しています。
自分の中では「最後までやり遂げたら、できたかもしれないのに…」というよりかは、その仕事を続ける勇気を持てなかった自分の敗北だと思っています。
一度目の敗北を踏まえて、今の会社ではもうすぐ勤続30年になります。
力がなければ継続できない
「継続は力なり」という言葉があります。
逆を言うならば「力がなければ継続できない」とも言えますよね。
ここでいう「力」をアドラー心理学の言葉に置き換えるとするならば「勇気」と言えるでしょう。
「勇気があれば継続できる」
「勇気がないと継続できない」
まさに劣等コンプレックスの典型的な症状です。
あのアントニオ猪木の名言「元気があれば何でもできる!」と同列に並べることには若干の抵抗がありますが、私は「勇気があれば何でもできる!」と思っています。
やり遂げずに途中で投げ出す癖がある人は劣等コンプレックスを自覚しよう。