「仕事の課題でうまくいかない人は、顧客や同僚が『仲間』である、という前提で接すると良い。仕事の課題の基本は、交友の課題でもあるからだ」
人生の課題
「人生には三つの課題しかない」とアドラーは言いました。
その三つとは、
①仕事の課題
②交友の課題
③愛の課題
です。
仕事の課題
では、①仕事の課題がうまくいかないときはどうすればいいのでしょうか。
「仕事の問題を解決する最善の手段は、第二の問題、すなわち交友の問題による」とアドラーは示唆しています。
具体的に言うと、顧客、取引先、同僚、上司らに対して仲間のように接することである、と言えるでしょう。
もっと具体的に言うと、顧客に対して仕事をくれない、取引先に対して足元を見られている、同僚に対して自分の出世には邪魔な存在、上司に対して口うるさい煩わしい存在などと思わないと言うことです。
逆に、彼らが喜ぶこと、彼らの利益になることを積極的にするのです。
先人の言葉
儒教の祖の一人である荀子もしくは孟子の言葉として知られ、百貨店の大丸の企業理念にも採用されている「先義後利」という言葉があります。
「義を先にして利を後にする者は栄える」という意味です。
アドラーの教えもこれに近いでしょう。
まずは、顧客や同僚を疑わずに仲間だと思い、彼らが喜ぶことを先払いするのです。
すると後から必ずや利がついてくる、と言うことです。
見返りを求めない
他者が喜ぶことをするときに、見返りを求めてはいけないと私は思います。
純粋に、この人の役に立ちたいという気持ちだけでいいんだと思っています。
その積み重ねによって、いざ自分が困難な立場になった時に、お願いしなくても助けてくれる人が、必ず現れるという考え方です。
相手が自分のことを仲間だと思っているかどうかは関係ないのです。
自分さえ相手を仲間だと思っていれば、この考え方は成立します。
勇気がある人
勇気がある人は、自分の課題を他者や社会と調和するように解決する人です。
仕事の関係者が仲間であると信じて接する人なのです。
仕事がうまくいかないときは、相手と友人のように接しよう。