遺伝子組み換え食品についてまなんでみた
「遺伝子組み換えではありません」
こんな表記を納豆のパッケージなどで目にしたことがある人もいると思います。
難しいことはよくわからないけど、感覚的に、「遺伝子組み換えでない」ほうが、身体にもいいんだろうなと前から思っていました。
食の安全性について自分の中で関心が高まってきており、先日、『食の安全を守る人々』というドキュメンタリー映画を鑑賞しました。
農薬(特に世の中に広く出回っているラウンドアップという商品)が人体に入り込んで健康被害を及ぼすことに加え、遺伝子組み換え食品や、新しい遺伝子組み換え食品ともいわれる、ゲノム編集食品の恐ろしさについて取り上げた映画です。
もっと詳しく知りたいと思い、この映画のプロデューサーであり、元農林水産大臣の山田正彦さんの著書『売り渡される食の安全』も読んでみました。
これらの情報をもとに学んだことを、今回はシェアします。
先にいうと、知るとちょっと怖くなったり、買い物しにくくなったりするかもしれません。。
けれど、みんなが知るべき大切なことだとわたしは思うのです。
ここでは、この問題について興味はあるけど映画や本を読む時間がない人や、なんとなく気になっているけどなんか難しそう…と思っている人など、誰に対してもわかりやすいように伝えられたらと思います。
~農薬と遺伝子組み換え食品のつながり~
農薬を摂取すると危険なことは、みなさんなんとなく想像がつくと思います。
実は、遺伝子組み換え食品も農薬と関係があり、危険といえる存在なのです。
そして、そのどちらも、わたしたちや地球の健康を犠牲にして、アグリビジネスの儲けのためにつくられ、日本で販売することが推し進められているのです。・・・びっくりではないですか?!
農薬は、害虫や雑草から作物を守るため使用されます。
農薬を使って作物自体も弱ってしまうのを防ぐため、農薬に耐性をもつように遺伝子組み換えが行われた作物がつくられ、農薬とセットで販売されます。
また、作物に殺虫成分をもたせるように遺伝子組み換えが行われている作物もあります。
<「遺伝子組み換え」とは?>
生物にある特定の作用をもたせるため、まったく別の生物から取り出した遺伝子を目的の生物に組み込むこと。(例:微生物の遺伝子を植物に組み込む)
しかし、虫や植物などの自然界の生き物も生き延びる知恵をもっているので、こうした農薬や遺伝子組み換えでつくられた作用に抗体をもった、スーパー害虫やスーパー雑草がじわじわと登場してくるのです。
そして、人間がまたそれに対抗するために、より強力な農薬や遺伝子組み換え作物をつくるという、いたちごっこが起きています。
「農薬が身体に悪いのはわかるけど、遺伝子組み換え作物も人間の身体に影響をおよぼすの?」とおもいますよね。
人間への影響はまだ実証されていませんが、遺伝子組み換え作物をエサとして食べている家畜の不妊率が高まったという事実があり(その後、遺伝子組み換え作物のエサをやめたら妊娠率が劇的にあがった)、動物への影響がすでにわかっています。
動物にその影響が表れているということは、わたしたちの身体への影響もあると十分に考えられるのではないでしょうか。
~遺伝子組み換え作物は避けられるのか?~
上記の見出しの疑問に対して、答えは「NO」です。
現在でさえ、ほとんどの場合「NO」で、このままいけば、もっと「NO!!」というかんじです。
まず現状から説明すると、日本では販売用の遺伝子組み換え作物をつくっていませんが(まだ実験段階のため)、主にアメリカ、カナダ、ブラジルから遺伝子組み換え作物を大量に輸入しています。
トウモロコシ、大豆、菜種などがその代表格です。
これら代表格をみて、なにを連想しますか?
トウモロコシは、国産のものを買っているし、大豆が使われている納豆や豆腐は「遺伝子組み換えではありません」の表記があるのを選んでいるし、、などと思われるでしょうか。
しかし、あらゆる加工食品の原料となっているこれらについては、遺伝子組み換えであっても表示義務がないので、表示がされていません。
例えばトウモロコシは、家畜の飼料、コーンフレーク、コーンスターチになってお菓子やだしの素にも使われます。
菜種が使われ、買い求めやすい値段で広く国内で普及している菜種油にも、原料に遺伝子組み換え作物が使われているでしょう。
先ほど述べた納豆や豆腐以外の大豆製品で、醤油や植物油がありますが、これらは表示義務の対象外とされています。
このように考えてみると、恐ろしいことに、遺伝子組み換え食品を高確率で口にしていることがわかるでしょう。
しかし、さらなる衝撃があります。
現在ただでさえ限られている遺伝子組み換え食品かどうかを示す表示を、2023年からなくすと、政府はすでに決定しています。
具体的には、「遺伝子組み換えではありません」と表示できる基準を厳しくして、この表示ができる食品を減らそうとしており、消費者が遺伝子組み換えでない食品を選ぶ機会を減らそうとしている(逆にいうと、遺伝子組み換え食品を無意識に選ばせようとしている!)のです。
<これまでの「遺伝子組み換えではありません」表示をつける基準> 先に述べたように、日本は海外から遺伝子組み換えの原料を大量に輸入しているため、食品の製造過程で遺伝子組み換え作物が混入するのを避けることは難しい。そのため、5%以下の混入率であれば「遺伝子組み換えでない」と表示することが認められている。
わたしたちの健康、どうなってしまうのでしょうか・・・
そして政府はなんのためにそんな政策をとるのでしょうか?
~日本が遺伝子組み換え食品を推進する理由~
2019年、日本はアメリカとの貿易摩擦を目の前にして、日本経済を牽引している自動車産業を守るかわりに、農産物をアメリカに譲歩したのです。
アメリカやヨーロッパでは、農薬や遺伝子組み換え作物に対する消費者の問題意識が広まり、有機作物の需要のほうが高まってきています。
日本のお隣の韓国でも、学校でオーガニック給食が開始されるなど、世界的に脱農薬・遺伝子組み換えの動きが進んでいます。
困った多国籍アグリ企業は、日本に目をつけ、今後はトウモロコシや大豆などにとどまらず、わたしたちの主食であるお米にまで手を下そうとしています。
このままでは日本は、行き場のなくなった農薬・遺伝子組み換え作物の廃棄場所のような存在になっていきます。
そして現在、新たな遺伝子組み換え技術と呼ばれている、ゲノム編集について、他の国では安全性が懸念されているにも関わらず、日本では2019年9月から流通がはじまり、政府が安全性を主張しているために、商品に使われていても何も表示がされていないのです。。
<ゲノム編集とは?> 目的の生物の遺伝子の、いらない部分を切り取る技術。(例:トマトの、実を熟成させる遺伝子を切り取ることにより、青いまま保管できる)
~わたしたちの健康を守るためにできること~
上から順に、難易度が高くなっています。できることから少しずつやってみましょう。
◎住んでいる地域で、議員に意見を伝えたり、農業の安全性を理解している議員に投票する。事態の深刻さに気付いた議員が審議を重ねて条例をつくってくれれば、国の法律に負けないくらい強い力をもった制度ができる。
◎農薬を販売しているお店に、理由を説明して農薬を販売しないように勧告する。
◎ふだん買い物をしているお店にオーガニックコーナーを増やすようお願いする。
◎お店にオーガニックコーナーがあれば、積極的にそこから選んで買い物をする。買い物は投票です。そして、オーガニックを選べば病気になる確率がぐんと下がると言われているので、結果的に医療費が減ります。
◎農薬・遺伝子組み換え作物不使用など、安全性を徹底している販売先(生活クラブなど)から食品を買う。
「自分がこんなことやって、意味あるのかな?」と思うこともあるかもしれません。
少しずつでも、わたしたちの日頃の行いひとつひとつが、自分、家族、将来の子ども、もっと広くいうと地球の健康・幸せにつながると信じています。
そして何より、まずは知ることからはじまるので、
この記事を最後まで読んでくれたあなたに本当に感謝しています!
ぜひ、なにか考えるきっかけとなれたらうれしいです(^^)