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14歳のわたしの思いが救われたはなし。
「w-inds.」
たぶん、多くの人は「まだ活動してたんだ」くらいに思うのだろう。
彼らはわたしの20年来の推しである。
今年でデビュー24年。メンバー脱退という危機はあったが、まだ、どころかほぼ毎年ツアーを行い、ここ何年かは自分たちで曲作りやレコーディングを行いアルバムをリリースするなどしてる。
そんな推しのツアーファイナルに今年も行ってきた感想が、このタイトルである。
なぜか。
Nostalgiaと銘打たれたデビュー〜2005年までの楽曲で構成されたツアーは、わたしが行きたくても行けなかったライブを追体験させてくれたからだ。
姉の影響でファンになり、自分で初めて買ったアルバムがPRIME OF LIFE。そしてその次に発売されたagehaがとても好きだった。
当時は(身バレ防止のため詳細は伏せるが)自家用車がなければ生活できないし、いちばん近くても仙台まで行かなければライブは観られない環境の地元にいた。
親に「行きたい」と相談できればよかったけれど、なかなかに厳しい人で、一度きり、数時間のために長時間の移動をして数千円するチケットを買って音楽を聴きたいとお願いするのはできなかった。アルバムを買って聴きながら歌うこと、彼らが出る深夜の音楽番組を録画して編集してビデオにまとめることが当時の精一杯の楽しみ方だった。
生で見てみたいと思うものの叶わないし、テレビ放送も見られなかった。
初めてライブに行ったのは上京した2009年。ファンクラブのイベントだった。
地元にいた頃からのメル友のひとりとは今も仲が良いが、彼女に見せてもらったDVDが初めて見た「ツアーの映像」だった。
それから毎年、ファンクラブのイベントも、夏に開催されるツアーも、コロナ禍や妊娠出産で諦めた時を除いて必ず1公演は参戦していた。
でも、それらのイベントやライブは過去曲のパフォーマンスはすれど「今のw-inds.」として披露していたもの。振り付けはずっと変わらないらしいが、その当時の最新のw-inds.と組み合わせられているから過去のものと感じにくい(それはそれですごいこととは思う)。
心のどこかで、1st Message(最初のツアー)〜7th. Ave(2008年ツアー)に行けなかったことがずーっと引っかかっていたんだと思う。昔から聴いているけど、聴いているからこそ、そのツアーを知らないことが哀しかった。ファンとして何か足りない気がして。
今回のツアー「Nostalgia」では、デビュー〜アルバム「ageha」までの曲で構成されている上に、慶太さん(ずっとこう呼んでいるのでここでもそう呼ばせていただく)の歌い方が20年前に寄せられている。信じられないかもしれないが、10代男子の歌い方を39歳男性が再現しているのだ。しかもめちゃくちゃ上手い。タイトル通り、歌と当時の記憶が結びついてノスタルジーを感じないわけがない。
当時はメインボーカルとして慶太さんが1人で歌っていたが、2人組になり涼平くんと歌割りするようになったことで、ある意味で新しいパフォーマンスにはなっているが、それを感じさせないプロの振る舞いに感動させられた。
そして何より、過去の楽曲だけで本編が繰り広げられることで、20年前にタイムスリップしたような気持ちになれた。
もちろん当時の様子は分からないし、現実のステージにいるのはアラフォーの2人で、見ているこちらも同じだけ年齢を重ねている。そして合間のMCは長年のファンの関係性の賜物でぐっだぐだで面白い(本人達に見られたら怒られそうだが)という変化があり、100%そのままというわけではない。
でも、Final公演で追加された“ageha”を聴いて、14歳のわたしの、地元でw-inds.を聴いて過ごした10代の、部活や勉強に励んだこと、東京に行くんだと受験を乗り越えたこと、上京してライブに行けるようになっても色々大変だったこと、就職、転職、結婚、出産…それらがあって2025年の「いま」に繋がっているんだ、とすっと気持ちが楽になった気がした。
そう思えるようなパフォーマンスをしてくれたw-inds.のふたりに感謝している。
10周年を越えたくらいから「また次会う日までお互い元気にがんばろう」そんなことを言っていたと記憶している。「次会う日まで」、これが結構励みになるのだ。胸を張ってライブに行ける自分になっているか?常日頃から、というわけではないけど、次のライブの予定があるとそこまで何とかやっていこう、と思える。
好きになったときはこんなに長く推していると思わなかったけど、今となっては推すのをやめることも想像できない。最盛期ほどの熱量も時間もかけられないけど、これからもずっと「心の栄養」として推し続けるんだと思う。
願わくば、30周年、40周年も慶太さんが「みんなまだまだがんばろうね!」と言うのを見届けたい。そして振り返って、あの時この歌を聴いてあんなことを考えてたな、苦しいなりに楽しかったな、と思える人生にしていたい。
w-inds.のお二方、ダンサーの皆様、スタッフの皆様、Nostalgiaツアー本当に本当にお疲れ様でした。
さて、次のファンクラブライブの申し込みをせねば。