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あんこぼーろ、noteの友人を泊める
「今度呑みに行きましょうよ」
大人の世界でよく交わされる言葉。
そんな誘いに大人はだいたい、以下のように返す。
「お、いいですね、ぜひ」
で、結局、呑みには行かないことの方が、多い。
昔、中国人とフランス人とオーストラリア人とイギリス人、5人の友人に、
「なんで日本の人って、今度遊ぼって言ってくるのに、結局それだけなの?」
と、言われたことがある。
日本人はあそぼあそぼと言ってくるわりには、実際に遊んでくれずに言葉だけ、だというのだ。
のみにいきましょうよ
こんど遊ぼうよ
ゴルフ行きましょうよ
こういう言葉は、もしかしたら日本人にとって挨拶に近いものなのかもしれない。うん、わかる。なんかそういうの、わかるよあたい。こう、なんか、距離を擬似的に縮めるというか、仲良くなった雰囲気よね。わかるわ。わかるのよ。
でも、わかるんだけども、僕は天気の話とか野球の話とか、社会的、社交辞令的なお話があんまりできない。だから、生半可な気持ちで、こんど遊ぼうよとか、呑みに行きましょうよとか、そういう言葉を吐けない。
だからそんな僕が、なにかを提案するっていうのは、もう社交辞令ゼロの本気純度1200%の言葉なのである。
しかし、そんな1200%の言葉を放ったとしても、受け取り手が軍手や革手袋をしていないと熱すぎて受け取れないかもしれない。いきなり意図していないなにかを渡されて、パッと受けとるのは、胆力が必要なのだ。ほら、想像してみてほしい。「秋田行ってきたからお土産だよ」って言われて、ホクホクで熱々のきりたんぽを手渡されたら、すぐに受け取れるだろうか無理だよね。
でも、あの人は違った。
僕が放った言葉を、軍手や革手袋なしで、すぐさま両手で受け取ったのだ。
「あ、そうだ、よかったらこんどうちに泊まりに来てくださいよ」
「え!いいんですか!ぜひ!いきます!じゃあ、何日にします?」
逆にすんなりと軽く受け取って、そのまま軽いウエハースをかじるかのごとく日付の話が出たので、逆に現実味がなかった。さわやかで巧妙な社交辞令とさえ思った。だってわたしは男だし、お相手は女性なのだ。そしてZoomで数回話しただけのどこの誰ともわからない馬の骨Boyなのだから。そうさ社交辞令さ!
いやいやいやいやいやちょいまちちょいまちんこ。でもあの人は、僕の書いた35話の膨大な物語を、「語る」と宣言し、そしてひとりで何十日もかけて気持ちと魂を込め、語り尽くしたのだ。そこにかけたエネルギーは、たぶんポッキーの工場の深夜帯の操業電力に匹敵する。ゆえに彼女の言葉の有言実行の重みが違う。直感的に、「あ、こん人は、ほんとに来る人ばい」と、あんこのなかのおばあちゃんが、喉がはちきれんほどの大声で叫んだのであった。
そういういきさつで、noteで出会ったシモーヌさんとその妹、なんてねさんが、あんこ宅へ宿泊することになった。
そして、あんこばあちゃんおもてなし物語が始まったのである。そう、まるで、ドミノの1つ目が、かちりと倒れるみたいにね!
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