『無人島のふたり』読了
山本文緒さんの『無人島のふたり』を読みました。山本文緒さんについては、5年前くらいだったか、よく名前を聴く作家さんなのでぜひ読んでみたいと思っていましたが機会がなく数年前に『再婚生活』という本を1冊読んだだけで、最近、『自転しながら公転する』も読了していました。
昨年10月にご逝去され、大変驚きました。年齢も私とそう違わない50代。Yahoo!ニュースで見た時はたいそう驚きました。
今回のこの本は、林真理子さんのユーチューブで紹介されていました。
読後の感想ですが、かなり現代風の闘病記でした。私自身、闘病記の類は、そんなに読んだ経験は多くありません。なぜなら、読むのに力がいるからです。こちらも相応の体力がないとなかなか手が伸びません。私自身両親をすでに病気で見送っていますが、経験済みの者でも、あるいは、経験済みだからこそ、あの時の何とも言えない先の見えない気持ちに自分を引き戻すというのは、辛いことです。
でも、この本は、闘病記でありながら、あまり悲観的になりすぎずに読めます。現代の私たち、比較的若い世代にとっても、病気になった時にどのような気持ちになるのか、自分に引き寄せて考えることができます。
「大豆田とわ子」を見ているとか、オリンピックの開会式とか、ついこの間の出来事が出てきて、本当につい最近だったことを思わされます。私たちは突然の訃報が飛び込んできて、彼女の死を知ったわけですが、私が同じように過ごしていた時間、見ていたものを彼女も同じように見ながら最期の時間を迎えていただんだなあと。
本の中に、彼女が長編小説を書こうとしていた計画があったと知りました。それが日本に住む無国籍の女性を扱ったもの。その準備のために大量の戸籍関係の本を取り寄せて下調べしていたこと。もう書けないので、誰か書いてくれてOKです、と書かれてしました。彼女の長編読みたかったな。。。
ちなみに林真理子さんのユーチューブ、更新頻度はそれほど多くないですが、毎回面白い本を紹介してくれます。彼女の語り口で説明されると全部買って読みたくなってしまう。自転公転も紹介されていて、この解説を読んで、ぜひ読んでみようと思ったのでした。
では、このへんで。
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