能登半島地震においての「子ども」支援
あけましておめでとうございます。
昨年、私の考えなどを発信できればと思いNOTEを開設いたしましたが、なかなか投稿が続かずに年を越してしまいました。
本年は、定期的に発信できればと存じますので、よろしくお願いいたします。
さて、今年は年始から大変な災害が発生しました。
石川県の能登半島を震源として、中部地方に甚大な被害をもたらしています。
新年早々に、大きな災害が発生したことに胸を痛めるとともに、自分としてできることがないかを探りながらも、現状すぐにできることが無いことにもどかしさを覚えます。
茨城県で子どもたちの学びと育ちに携わっている身としては、災害によって避難生活を余儀なくされている子どもたちの過ごす環境が心配です。
子どもたちの中には、環境の変化に敏感な子も多く、ましてや元旦に災害が起きるという未曾有の出来事においては、平生を保てる子の方が少ないのではないかと思います。
災害で不安な中、子どもたちに必要なもの
不安な気持ちが強い中で大切なのは、まずは「心の安全」だと思います。
周りの目線が気にならず、いろいろな情報も入りすぎず、いまの自分自身にできることだけをしていていい場所。子どもたちにはそんな場所が必要なのではないかと感じます。
私自身、不登校状態にある子どもとの関わりも多く、その経験の中で感じることとしては、不安な状態にある中だと、本人のあらゆる力が制限されてしまうということです。
例えば、本来は運動が好きな子でも、不安な中においては体が強張ってうまく体を動かせなかったり、話すことが好きな子も心がついて行かず、言葉が出てこなかったりなど、その子本来の力が十分に発揮できない状態になります。
その上で、忙しなく動いている周りの雑踏や流れの中にいると、本人の意思とは無関係に周りの言動に過敏に、過剰に反応してしまい、きつい言葉を発してしまったり、ものに当たってしまったり、じっとしていることが難しかしくなってしまったりします。
そして、よくあるケースとしては、そのような状態にある子は「問題児」や「困った子」とされてしまい、別の部屋に移されるなど、「隔離」に近い状態に置かれてしまいます。
しかし、不安な中で出ている姿を、その子の性格や特性、障碍としてしまうのは違うと思います。それは本来の姿ではないと思いますし、不安があれば、人は誰でも似たような言動が出てくるものだと思います。
大切なのは「心の安心」です。本人がゆっくり過ごせて心のエネルギーが回復してくると、必ず不安という鎖は緩み、本来持っている力が発揮できるようになってゆきます。
避難所生活の中の「子ども」
いま、避難所生活が続く中で、じっとすることが難しい子などが増えており、避難所の中で過ごすことが難しく、親子で半壊状態にある建物の中で過ごしているという話も聞きます。
周りで過ごす他の方たちも不安な中にあり、子どもの言動を受け入れることがなかなか難しいと思います。
また、不安な中にある子どもに、「空気を読んで」過ごしなさいというのも酷な話です。
そんな中で避難所にいま必要なのは、「第三者による子どもの居場所の開設」です。
現状、子どもや妊娠中の方などの支援が必要な方が使える福祉避難所は、2ヶ所程開設されているようです。しかし。その避難所を運営している人もまた、被災された方だそうです。
本来、運営している方々も、支援を受ける必要のある側の人です。
子どもの支援に携わる身として、自分自身が不安な状態にある中で、他の不安な状態にある人の支援をするというのは、とても簡単なことではないと感じます。
災害直後に子ども安心して過ごせる場を作り運営してゆくのには、第三者の手でしか難しいと感じます。
緊急時に、即座に現地に入り子どもの居場所を作る。それは災害支援としてとても大切なことだと感じます。
子どもの居場所がしっかりと整うと、子どもがエネルギーを回復できるだけでなく、その保護者の方も自分自身に向き合う時間を持てて、回復に向かう時間を持つことができます。
それは、避難所全体が過ごしやすい場所になるということであり、より多くの被災者の人の利益につながると考えます。
最後に
私自身、今すぐには現地に行って支援を行いたいですが、力不足な部分が多く、すぐに支援を始めるということがかないません。
自分自身の力のなさに、無力感を覚えてなりません。
しかし、来るべき時に必ず現地へ行き、支援をしたいと考えています。
現状ではNPO法人カタリバさんが、1月5日には現地に入り、0歳児から中学生の年代の子の居場所を立ち上げ、現地の高校生と一緒に運営されております。
https://www.katariba.or.jp/news/2024/01/05/43301/
まずはこの活動に寄付で支援をし、自分自身にできることは何かを考えながら準備をしてゆけたらと思います。
一刻も早く状況が落ち着き、必要とする人に必要な支援が行き届くようになることを願い、またそのために私自身も力を尽くせたらと思います。
2024年1月11日 菊池天陰