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プログラムと電子工作・災害の見える化

note の第1回目の投稿で、「プログラムと電子工作クラブ」を地域の公民館と連携して運営していると書きました。もうすでに 2年以上続いているのですが、クラブの目標に「災害の見える化」があります。

私たちの住む地域の中央を二級河川が流れていて、2018年 7月の西日本豪雨のときは氾濫一歩手前でした。指定避難所には 200人以上が避難しました。このときの反省として、「どのタイミングで避難を開始するか迷っている間に避難の機会を逸して垂直避難を余儀なくされた」「どのルートでどこへ避難すればいいか分からなかった」といった意見が多かったです。

川から離れているとどのくらい増水しているか分かりません。降り続く雨があと何時間続いたら川が氾濫するのか傾向が掴めません。避難所までのルートは山間の道路が多く、土砂災害特別警戒区域を通らないと避難所へ行けない人も多いです。

私たちが考えたのは、いい加減なセンサでもたくさん設置すればどの地域が浸かりそうか、どの斜面が崩れそうか、何となく前兆がつかめるのではないかということです。何十万円もする水位計を河川に 1箇所設置するよりも、1万円未満のセンサを 10箇所設置する方が役に立つのではないかということです。

市販の製品・サービスにも、Sigfoxなどの通信網と独自のデータ収集システムを利用する安価なものが出てきました。ですが、センサ本体の購入費だけでなく、通信費がかかりますので、なかなか町内会レベルでは運用が難しいです。

国土交通省が実証実験を進めていますが、水位センサが設置されているのは一部の地域に限られます。

災害の見える化センサ

自分たちの知りたい情報は自分たちで何とかして手に入れようということで、個人のできる範囲でやってみようというのが、プログラムと電子工作クラブでの試みです。

水害と土砂災害が心配な地域ですので、「水位センサ」と「土砂崩れセンサ」を製作する方針としました。水位センサは自宅の側溝や隣接する田畑に設置し、普段来るはずのない水位から 1メートルほど増水する間を計測します。土砂崩れセンサは地面が動いたことを検出することを想定していますが、今のところ思いつきです。

計測データは、 センサごとに設ける LINEのグループラインに計測値を通知することで共有します。グループラインに友だち登録している人が計測値を読むことができます。将来は、地理情報システム(GIS)などに統合したいですね。

水位センサ

水位センサの方式として、8つ考えました。(1)フロート、(2)電流検出、(3)気圧、(4)小発電、(5)距離(赤外線)、(6)距離(超音波)、(7)静電容量、(8)水圧

原理は次のとおりです。(1)は増水したらフロートがスイッチを ONするもの、(2)は電極が水に浸かると電流が流れるもの、(3)はホースに閉じ込められた空気が増水とともに圧縮されるもの、(4)は水路を流れた水が水車を回すもの、(5)(6)は水面までの距離を測るもの、(7)は水に浸かった電極面積に応じて静電容量が変化するもの、(8)は水底の水圧を測るもの。いずれも頭で考えたもので、うまく機能するかは不明です。

  • 水位が来た/来ないの 2つの状態しか測れないものは除外・・・(1)(2)(4)

  • アンプなどの電子回路を水から離せないものは除外・・・(8)

残る (3)気圧、(5)距離(赤外線)、(6)距離(超音波)、(7)静電容量について、実現可能性を実験で確かめることになりました。

土砂崩れセンサ

現時点ではノーアイデアなので、水位センサの実現可能性に目鼻がついてから考えることにします。

距離方式(超音波)水位センサから

特に理由はないですが、距離方式(超音波)水位センサの製作に着手します。まずは、水位計測方式の実現可能性の検証を優先します。

プログラムと電子工作・超音波センサで水位を測る準備実験を公開しました。この実験結果を見ると、何となく行けそうな感じです。

次に、気圧方式水位センサ

次に、気圧方式水位センサの製作に取り掛かります。

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