悪質なPCショップ・PC販売業者に騙されない方法
早速ですが、皆さんはその人が信頼できるかどうかをどのように判断するでしょうか。人格の判断は何年生きても難しいものですが、PCの販売者に限ればとても単純です。
「嘘をつく」は訴えられると困るので悪質業者もしっかり対策します。しかし「不都合な真実を隠す」は驚くほど、というより殆どの業者がしている行為です。以下に2つの項目を紹介するので、ご検討中のPCや既に購入されたPCがどうだったかを確認してみて下さい。
まず結論から
気になるPCがあったら、コメント欄でこの質問をしてみましょう。
・Windows11を正式にサポートしているPCですか?
・到着後ライセンスを確認するつもりですが、こちらのPCはボリュームライセンスではなく個人用のライセンスですよね?
嘘を言えば訴えられます。挙動不審になるかブロックされればそういうことです。
問題のあるPCでは、ある日突然WindowsやOffice(WordとかExcelとかパワポとか)が使えなくなる(ライセンスが切れる)という問題が起きます。また、起動しないゲームやソフトも出て来ていて、LOLやValorant等は既に動作しなくなっています。
詳しく見て行きましょう。
騙し方 と 対策
① Windows11非サポートPCにWindows11を入れ、最新と偽って販売する。
本来Windows11が対応していない古い世代のPCにWindows11を無理矢理インストールし、「最新のWindows11!」等と訴求するパターンです。通常の方法ではインストール時にインストールできない旨メッセージが表示されますが、悪質業者はこれを乗り越える方法を用いてインストールし、販売しています。
Windows10のサポートが切れる来年の10月までの間に、Windows11に更新することの出来ない古い非対応世代のPCの在庫を捌きたい業者の思惑ですが、こうやって無理矢理インストールされたものはいつアップデートで動作しなくなるかが分からない状況です。Windowsを開発しているMicrosoftは具体的に動くCPUをリストアップしていますから、このリストに含まれていないCPUを搭載する古いPCは、完全にサポートの対象外です。店舗もそうですが、特に売ってしまえば後は連絡手段の無いフリマアプリやフリマサイト、その他通販ではこの手法が極めて多いです。殆どそうだと考えていただいて差し支えありません。
見分け方は、
・CPUの型番を明記していないもの
・CPUの世代を明記していないもの
・型番を調べた時に、発売日が2018年より前のもの(例外もありますが大雑把な判断はできます)
より具体的に言いますと、下記ページに記載の無いCPUを搭載したPCは非対応世代です。
Windows プロセッサ要件 - Windows 11 でサポートされている Intel プロセッサ | Microsoft Learn
Windows プロセッサ要件 - Windows 11 でサポートされている AMD プロセッサ | Microsoft Learn
手っ取り早いのは「Windows11を正式にサポートしているPCですか?」と聞くことです。正直な答えが返ってくればそれまでですし、使っていて嘘だと分かれば訴えることができます。返答が無ければ後ろめたいことがあるのでしょう。
② 4万円以下にも関わらず、Microsoft Officeがインストールされている。
該当する全ての出品・商品がこの問題を抱えているわけではありませんが、WordとExcel、Outlookだけが入っている最低限のMicrosoft Officeでも37,700円もする高価なソフトです。これが安価なPCにインストールされている場合、Microsoftが企業向けに販売しているボリュームライセンスを用いて認証されている場合があります。このライセンスを個人に販売するPCに使用することは明確なライセンス違反であり、また悪質業者がライセンス契約を解除した時点で使えなくなる時限爆弾でもあります。もちろんこの状態で販売することは許されることではなく、実際に民事・刑事で罰せられた業者も複数存在します。
インストールされているOfficeを確認し、その正規の価格を検索し、Microsoftのページでいくらで販売されているかを確認して下さい。尚、Amazonやその他でMicrosoftのページより何万も安く出品されているOfficeもありますが、それらは同じくボリュームライセンスを切り売りしている違反出品で同じ問題があります。価格の参考にしないで下さい。
手っ取り早い確認法として、「到着後ライセンスを確認するつもりですが、こちらのPCはボリュームライセンスではなく個人用のライセンスですよね?」と確認する事です。Windows11問題と同様に、嘘なら訴えることができます。
逆に信頼できる販売者の特徴
私見ですが、お店のWebサイトがあることが第一に必要です。更に、そのページにWindows11のサポート機種について明記してあることも必ず必要です。ここまでで、殆どの販売者は脱落します。殆どと言いますのは、99%以上です。
私が勤務しているショップは全てを詳らかにした上で、Windows11に対応せずWindows10のサポート終了と共にWindowsが正式に使えなくなってしまうPCには、Linuxと呼ばれるAndroidの親戚(正確な表現ではありません)をインストールしたり、それでもWindowsを使われたい方にはWindows10をインストールして使用期限があることを正確に伝えるなどの方法をとっています。
個人的には質問を受け付けて購入されようとしているPCが安全かどうかをお伝えしたいところですが、営業妨害と逆恨みされるリスクを考えると軽々にはできません。中には親切で3万円のPCに5万円のソフトを入れている親切な業者も….いるかもしれませんので、いずれにせよそのPCを購入して中のライセンスを確認するまで断言できませんから、不確定な情報で購入してはいけないとお伝えすることもできないのです。
私の勤務するショップをご紹介することも、一企業のセールスとしてしまうことは適切ではないでしょうから、警告したはいいものの解決策が思い浮かびません。皆さんの知恵をお貸しください。