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角川武蔵野ミュージアムを遊ぶ
JR東所沢駅から歩いて10分ほど。異様な岩塊が見えてくる。隈研吾さんがデザインした角川武蔵野ミュージアムです。建築家が言うように、足元深くにある地層から冷え固まった古代のマグマが地表にせりあがったイメージ。約2万枚の石板で覆われた力強い建造物は、直角の面が一つもない。
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中身はというと、知的好奇心を満たす楽しい仕掛けが散りばめられた複合文化施設。図書館・美術館・博物館などを「まぜまぜ」にして、角川が新しく提案するテーマパークです。本棚劇場、EJアニメミュージアム、エディットアンドアートギャラリー、荒俣ワンダー秘宝館、マンガ・ラノベ図書館etc.
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一日かけても見て回れない充実ぶり。本棚劇場では高さ8mの巨大な書架をスクリーンに、30分ごとにプロジェクションマッピングが行われている。火が燃え上がり、水が流れ落ち、大樹が茂る。壮観!その迫力に圧倒されます。まさに本棚が劇場に変わる時。知と美の遊園地です。
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他にもブックストリート、アティックステップ、カフェ、ミュージアムショップなどが迷路のように配置されている。いろんな図書空間に集められた書籍は8万冊以上。貴重な本や珍奇な展示品など、本好きにはたまりません。手塚治虫の『鉄腕アトム』第一作があったので感動しながら読みました。
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武蔵野の風土やカルチャーに関する本や資料を集めた、ユニークな武蔵野ギャラリーがあるのもここならではの魅力。入口に『薄暮のダイダラボッチ』という大きな絵がある。山を担ぎ足跡が湖沼になったと、この地に伝承される巨人を描いた作品。信州松本ではデイダラボッチと呼びます、たしか。
いちばん大きな企画展示空間、グランドギャラリーについては次回に。