岩崎 圭一『無一文「人力」世界一周の旅』
「できない」理由のほとんどは「お金」である。旅でも起業でも。「先立つもの」がないので行動しない。お金が少しできたとしても、未来永劫それが続く保証がないから、やっぱり行動しない。
圭さんは、行動しない理由の第一位である「お金」を、もっと明確にいうと「お金への執着」をやめて旅に出た。「お金」を全く使わないわけではない。路上でマジックを披露して、必要なものを買ったり食事をしたりもする。でも、節目節目で全財産を道ゆく少女に渡したりして「リセット」する。
海抜0メートルからの人力エベレスト登頂、ガンジス川の川下り、そしてごく最近は人力による大西洋横断(これは本書には書かれていない)。やりたいことを定め、それをやる切るために必要な行動を積み重ねる。言い訳しない。それが人生だから。
「お金がない」「時間がない」と言って何もしていない人は、本書によって心を滅多刺しにされることだろう。読んでも死ぬわけではないので、勇気を持って購入してほしい。
圭さんは世界青年の船に、僕の次の年に参加した人だ。僕が大学時代から旅をしていたので、友人を介して出発前に会うことになった。「相談」したいということだったが、すでに日本一周を無一文からやり遂げた彼の話を聞いて、この先も全く問題ないだろうと思って「なんとでもなるでしょ!」とだけ伝えた。エベレスト登頂後、「ボートでガンジス川を下るのは人力といえるだろうか」という質問が来てやり取りしたのも懐かしい。
結構長い旅になるだろうなと思い、3〜4年ぐらい帰ってこないのかなと出発時に漠然と思っていた。すでに21年。まだアジアとヨーロッパしか回っていない。これからも、大いに楽しませてもらおうと思う。
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パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。
鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。