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ビジネスモデルというのは(24/4/28:デジタル競争戦略)

ポーターの5フォースモデルや、BCGのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントなど、昔からビジネスモデル・フレームワークというのを学ぶのが好きだった。

それによってビジネスを理解することができる、さらには掌握し、進化させることができると思っていた。

それが最も学べる現場として、コンサルタントというキャリアを選んだ。

しかし、経験を重ねているうちに、中々ビジネスモデル通りにはいかないことばかりで、次第にビジネスモデルやフレームワークを学ぶことから離れていった。

一方で、ビジネスモデルによって、そのビジネスの基本を学ぶことができるという点は、利点だと考えいる。

「デジタル競争戦略」この本も、その面を備えている。

「コンサンプション(消費・消耗)・エコシステム」と名付けられていますが、基本的には自社とユーザーや他社をつなぐエコシステムという一般的な考え方は変わらない。

データを中心ということと、物理的なもの(重機や歯ブラシ)から、IoTによってデータを取得することが、いわゆるエコシステムからのアップデート事項だろうか。

非常に分かり易いビジネスモデルだ。考え方も素晴らしい。

だからその分、机上の空論感も強い。

既存のプロダクトで稼げている企業にとっては、データはオマケである。

その構造を変えていかなければならないが、このビジネスモデルでは「どうやって変えていけばいいか」は明確ではない。

もちろん、事例や指針は示されているが、それ以上に社内外での調整といったものが難しいだろう。

それでは全く新規にビジネスを行えばいいかというとそれも難しい。

新規でつくれるものは、もはやハードルが低いものばかりで、良いサービスを始められても、すぐに真似をされてしまうためだ。

結局、既存のビジネス(特に、まだ取得できていないような物理的なもの)からデータを集めて、それを自社だけでなく、関係者を巻き込んでエコシステムをつくっていくしかない。

という、本書の提案に戻ってくる。

しかし、それも一杉縄ではいかない。

エコシステムでは、多くの場合に、誰が主導権を握るのかで話がこじれるが、このような物理とデータが合わさったエコシステムでは尚更である。

その分、本書の末尾にある「特別対談」の内容が非常に印象的である。

コンサンプション・エコシステムの勝敗を決めるものは何か?

コンサンプション・エコシステム内のリーダーになるのはだれか?

この2つの問い。

決まった答えはないだろう。自社に有利なように考えるべきでもないだろう。

既存のビジネスモデルから、この2つの問いを考えて、いま打てる手は何かを考えることの必要性を思い知らされた。

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