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「スクラムマスターのためのシステムコーチング体験会(2023/08)」参加レポ② 〜システムコーチング®体験(ランズ・ワーク)〜

まえがき


前回の続きで、本記事ではシステムコーチング®体験の内容を記載します。


システムコーチング®体験(ランズ・ワーク)の説明


 参加者は以下のケーススタディに記載のロールになりきるよう言われました。
※展開された資料では、各ロールについて詳細にかかれていましたが、ここでは割愛します

ケーススタディ資料


ケーススタディ:飲食店予約サービス運営会社「もぐもぐ社」

背景
「もぐもぐ社」は、東京周辺の飲食店予約サービスを提供しており、市場にサービスが受け入れられてきたが不具合もおおくなってきた..

今日に至るまでの経緯
開発チームの佐藤はじめは社内関係者の合意をとり、システムコーチングを受けることになった。

これまでに実施したことは、下記の通り
1)システムコーチによる事前インタビュー
2)どんな雰囲気でシステムコーチングを受けていきたいかを合意するセッションを実施し、建設的に取り組めるようなアグリーメントを結ぶ

事前インタビュー

プロダクトオーナー(PO)
サービスの良さがユーザーに認められていると感じており、更なる成長のため新規企画をどんどん打ち出すため開発にはもうひと踏ん張りしてほしい

開発チーム
差し込み要求の酷いPOへの不満を感じている

セールス
2名→10名体制になり、セールスはみんな熱意を持って仕事しているが、各機能が使いづらく、効率のあがらないシステムに不満を感じている
また機能改善要求を開発チームへ言っても受け入れてくれないところも不満。

ヘルプデスク
2名体制で運用。今年に入って問い合わせ数が10倍近く増えていることから、システム改善提案を出しているが、対応してもらえない。
プロダクトオーナーや開発チームはユーザーのことを本当に考えているのか疑問。


ランズ・ワーク実践


  1. 参加者それぞれやりたいロールを決める(人数の配分がいい感じになるよう)

  2. ロール毎に、お題(以下)の内容をまとめる

    1. 何を大事にしていますか?

    2. どんな不満を持っていますか?

    3. どうしていきたいですか?

    4. 私達を表現する「ポーズ」を決めてください

  3. 各ロール毎に2.の内容を発表する

  4. 発表した内容を受け、それぞれの(ロールの)「国」へ足を踏み入れる

  5. その国に入って感じたことを話し合う(× 全ロール分)

  6. 各国を旅した感想を話し合う

  7. ロールプレイをやめ、改めて意見交換をする

以下にそれぞれの手順でどういった体験をしたか記載します


ロール毎にお題の内容をまとめる

私はセールスのロールを選択し、同じロールの方々とお題の内容をまとめていきました
ここではzoomのブレイクアウトセッションにて、各ロールで話を勧めていきます

お題の内容をmiroにまとめている図

全体へ向けて各ロール毎にお題を発表する

ブレイクアウトセッションから戻り、まとめたお題の内容を全体に発表します。
Zoomのイマーシブ ビュー機能 を用いて、それぞれのロールの場所に配置され、それぞれのポジションで発表していきます。

Zoomのイマーシブ ビュー機能 イメージ図

それぞれ怒り心頭だったり、ビジョンに向かってたり、協調したがっていたりと様々でした…w


それぞれの(ロールの)「国」へ足を踏み入れる

良き旅行者でありましょう
部屋に入るときは靴を脱ぐ・脱がない等の文化がある
それぞれの国とは風習やルールが違うかもしれない
踏み入れる際は、その風習やルールにのっとりましょう

各国へ足を踏み入れるときに、その国(ロールの方)が指定した儀式を行い入国します
好きな言語を言わされたり、給料あげろとデモみたいなことを言ったりと様々でしたw

コーチより、入国したら(その国の発表をもとに)どう感じるかを話すよう言われました
その際の質問は以下です

  1. 何を感じていますか?(そのときどんな感情か?)

    • 例)なんか周り怖いなー、身構えちゃうなー、なんか情熱・パワーを感じる

  2. この国にとって大事なことはなにか

    • 例)KPI、営業ノルマ、お客さんのこと

  3. この国でのチャレンジやプレッシャーはどんなものがあるか?

    • 例)プロダクトの売上を引っ張っている→伸ばす自負、自分を犠牲にしている

  4. この国へはどんなサポートが必要か?

    • 例)事務処理軽減、対話する機会、競合とはちがうインパクトのある機能、体験

  5. 他の国へ輸出したい価値観

    • 例)お客様のことを真摯に考える情熱・熱量

これらを話しあっている間、国の住民は入国者の話し合いを眺めます
またその後、コーチから以下の質問を受けます

  1. 入国者は何を理解してくれたか?

    • 例)セールスのノルマ、KPIのつらさ、自分たちが言葉にしていないことまで汲み取ってくれた

最後に入国者は別の国へ旅立ちます🛫
その際も入国時と同様出国の儀式も行いました。


各国を旅した感想を話し合う

それぞれの国で意見を出し合ったら、今度は4つのロール毎ではなく「もぐもぐ社」として今後何をしたいか話し合います

垣根が取り払われたもぐもぐ社

コーチからの質問は以下です

  1. (もぐもぐ社に戻り)どんな気持ちですか?

    • 例)みんなの現状を体感できた、ただまず何をすればいいのか分からない。不安。

  2. 次の一歩を進んでいくとしたら何をしたいですか?

    • 例)対話の場所にヘルプデスクをいれないといけない、休業日を作る、職場訪問

  3. そこにはどんな可能性があるのか?

    • 例)部分最適でなく、全体最適な課題解決へ向けたプロセスになる

  4. 具体的なアクションは?

    • 例)プランニングの場にヘルプデスクをいれる

これにてワークは終了です🙌


QA

  • Q(参加者)

    • 今回システムコーチング®を受けてみて、まずコーチがゲストとの信頼関係が前段にないとどうにもならなさそうと感じたがどうしている?
      今回のワークでは諸々「正直に話した」ことや、そもそも「参加し話してくれた」ことが前提だった。
      本来「ランズ・ワークをやる!」となっても、懐疑的だったり非協力的だったりすることが多々ある。

  • A(コーチ)

    • 今回4つのシステムへ対し一気にワークを仕掛けたが、本来はその前段のワークがあったり、各システムとの間に心理的安全性のある状態にしておく

    • またどうしても関係性が担保できず、各国へ入りたくない場合は入らなくても良いとし、また別のワークで関係性をほぐしたりする

所感

  • コーチングを受けてみて、一部気恥ずかしいところもあったが、それぞれのロールになりきることで、そのロールについて考えるよい機会を得られたと感じた

  • 社内で相互理解が足りないことはよくあるため、システムを俯瞰している方が率先してこのワークを提案していく必要がありそう

  • 一方で、システムに課題があるときに、この時間をとる、またシステムコーチングをしてもらう判断をできるか?はシステムによるなと思う

  • コーチがファシリテーションするなかで、参加者のうなずきや体のこわばりを伝えて、終始感情がどう動いたのかを気づかせる動きをしていたことが新鮮だった

  • 感情に目を向けたファシリテーションというのも参考になるなと感じた


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