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パターンプロセス理論の観点 前編 

パターンプロセス理論では、検査異常パターンを用いることがポイントです。検査異常パターンというからには、検査は基準値を超えるだけで重症度は問いませんので、定性的評価ということになります。

健診の結果は、基準値を超える有所見者はさらに数値の高低に応じて、要治療、要精密検査、経過観察、軽度異常のような具合で区分分けされ、結果報告書に羅列されることになります。本来病気を見つけるための検査として実施されているため、一般的には数値が高いと悪いと判断され、受診勧奨されます。今までの健康診断は、基本的には定量的判定といえます。

では、定性判定の組み合わせである異常パターンで何を判定するのか。

汎用6項目については、今までも何度か紹介してきましたが、今一度見直してみます。

6項目の組み合わせ63パターンに正常群を加えた64パターンについて、各群の平均年齢と平均BMIを求め、散布図で男女別に示してみます。まだこの段階ではこの散布図が何を表しているのか分かりにくいですが、男女で64パターンの分布形状が違っていることはわかります。

次に6項目全部正常、LDL―C単独、血圧単独、HbA1c単独、血圧+HbA1c、各群を赤丸で囲んでみました。これらは肥満度が低く、単独もしくはこれらの組み合わせだと肥満とは関係ないといえそうです。となると、これらの上に分布するパターンは、GPT,γGTP,TGが含まれたパターンで肥満(体重増加)と関わりがありそうです。

6項目正常群の有所見率を年齢階級別に示してみました。男性は20歳代から、女性は40歳代から正常群の有所見率はどんどん下がっていき60歳代で性差がなくなり10%前後で推移します。裏を返せば異常を持ちながらも健診集団で高齢化している方々が90%近く存在していることになります

正常群は、男女ともちょうど標準体重のあたりです。平均年齢は40歳未満……今までの健康管理で標準体重を目指して……なんてこと言われたことのある方も多いと思いますが、40歳を過ぎるとどんどん難しくなってゆくのが人の常です。

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