独創的なスケッチ案から本物のケーキを作る!子供たちが主役の「夢のクリスマスケーキコンテスト2018」イベントレポート
今週末はいよいよクリスマス。洋菓子業界にとっての最大の繁忙期が今年もやってきました。
そんなクリスマスシーズンを目前に控える中で開催された「銀座コージーコーナー『夢のクリスマスケーキコンテスト2018』」。
このコンテストは、小学生以下のお子様から寄せられたケーキイラストのなかから選ばれたものを、銀座コージーコーナーのパティシエたちが作り、本物のケーキとしてプレゼントするという企画です。2009年から実施され、今年は記念すべき10年目。応募数は総勢22,016点、子供たちの“こんなケーキがあったらいいな”がつまったイラストがたくさん届きました。
グランプリ発表会には、クリスマスを心待ちにしている3人の「小さなお客様」が登場。きっとみなさんも、今まさにそんなお客様たちの笑顔のために、ラストスパートをかけているところですよね。子供たちはクリスマスケーキに、どんな夢を描いているのでしょうか?
今回は、12日2日(日)に東京都内で開かれたグランプリ受賞作品発表会を取材してきました!
「夢のクリスマスケーキコンテスト」開催の想い
このイベントを開催する理由は、銀座コージーコーナーが目指しているお店のあり方から。「親しみのあるケーキ屋さん」をひとつの価値としている銀座コージーコーナーは、誰かをおもてなししたい、と思ったときに最初に思い浮かぶケーキ屋でありたいという想いを持っています。そして、そんなケーキ屋を目指すためにもイベントを開催しています。
▲丁寧に色を塗られたイラストばかり。コンテストに出席していたパティシエからも、感嘆の声が上がっていました
これまではグランプリ受賞のみでしたが、今年は10年目の節目を迎えたこともあり、特別賞として「ワクワクアイディア賞」「みんなハッピー賞」の2作品も選出されました。
「夢のクリスマスコンテスト2018」は特別プレゼンターとして、女優の浜辺美波さんがパティシエ姿で登場。
▲2017年、ベストセラー小説『君の膵臓をたべたい』の実写映画でヒロイン役を演じた浜辺美波さん。
登場前にケーキイラストを見たという浜辺さんは、「子供たちにしか描けないような発想力豊かなイラストに驚きました。実際に完成したケーキを早く見たいです、ワクワクしますね」とニッコリ。浜辺さんが見守るなか、いよいよ受賞作品の登場です。
まずは今年から新設された「特別賞」の紹介から
かわいいおばけがケーキの上で大はしゃぎ!
ワクワクアイディア賞「おばけのクリスマスパーティー」
最初に登場したのは、宮城県に住む細谷地 奏空(ほそやじ そら)ちゃん・4歳の描いたイラスト「おばけのクリスマスパーティー」。元気いっぱいのおばけたちがケーキの上で遊ぶ様子が審査員の心をつかみ、見事「ワクワクアイディア賞」を受賞。自分の絵がケーキになって登場した瞬間は、とても驚いていました!
製作を担当したパティシエの西 健祐さんは「一番難しかったのは、両サイドに描かれているプレゼントボックスです。箱本体はいちごのムースで、リボンは薄く切ったチョコレートで作りました。おばけたちはムースを球体にして、その上からグラサージュして仕上げています」とコメント。
また、最もこだわったポイントはクリスマスツリーの部分だそうで「試行錯誤した末、木の部分は抹茶のプチシュー、土台はタルトで仕上げました」と話していました。
「絵(を描いた時間)は30分くらい。お気に入りはココ!」と黄色いおばけを指さしてくれた奏空ちゃん。「おばけのクリスマスパーティー」は、お母さんと一緒に色を丁寧に塗ったそうです。
作品紹介のあとは試食タイム。ステージに上がって緊張気味だった奏空ちゃんでしたが、自分が考えたケーキを一口食べると「チョコおいしい!今まで食べたケーキの中で一番!」とあっという間に笑顔。西パティシエも、夢中でケーキを頬張る奏空ちゃんを見て、ホッと一安心した様子でした。
切り分け線があるから、みんなで仲良く食べられちゃう!
みんなハッピー賞「HAPPYサンタミックスケーキ」
続いて登場したのは、神奈川県に住む新田 心海(にった ここみ)ちゃん・10歳。チョコソースで切り分け線を入れるというアイデアを取り入れた「HAPPYサンタミックスケーキ」で、「みんなハッピー賞」を受賞しました。実は、軽度の乳製品アレルギーを持つ心海ちゃん。乳を使わないようなケーキを考案してみたかったそうです。
製作を担当したパティシエの黒田 克彦さんも「乳アレルギーを持つ心海さんにも美味しく食べてもらえるよう、乳は使わないようにしました。代わりに使用したのは豆乳です。豆乳ベースのクリームに砂糖とバニラで甘さを加えて、苺とメロンのクリームで味のバランスを整えました」と語っていました。
試食した心海ちゃんは完成したケーキを見て「私の予想していた以上の作品でびっくり。とても満足しました!豆乳クリームは美味しくないイメージがあって、でも今日食べてみて、生クリームと変わりないくらい美味しいと思いました。甘すぎないちょうどいい甘さが美味しかったです」と大人なコメント。黒田パティシエも、「考えながら作ったので、今日この言葉が聞けて、本当に嬉しいです」と目を細めていました。
心海ちゃんは「こんなにいろいろなステキなイラストがあるなかで、選ばれてびっくりしました。今日も他のイラスト見て、すごいなぁと思って…、でも聞いたときは嬉しかったです。応募したキッカケはシュークリームがもらえるから。考えて書いてよかったです!」と、応募したときの裏話を笑顔で教えてくれました。
また、イベント終了後は家族や親せきとの少し早いクリスマスパーティーがあるそうで、「クリスマスもクリスマスケーキも、毎年とても楽しみにしています!みんなで楽しく過ごしたいです」と嬉しそうな様子が非常に印象的でした。
大好きなお肉がケーキに!?
グランプリ「オリジナルクリスマスチキンケーキ」
そして、最後に栄えあるグランプリの発表です。「夢のクリスマスケーキ2018」のグランプリに輝いたのは、静岡県に住む宮坂 由香(みやさか ゆか)ちゃん・9歳の作品。テーマは由香ちゃんの大好物の“お肉”。
壇上に登場した由香ちゃんは、「チキンのケーキだと豪華でいいな、と思って描きました。チョコレートが大好きなので、ホワイトチョコとイチゴチョコ、ミルクチョコ全部使っています。パティシエさんには、チキンの骨の丸い部分にこだわってほしいです!果物のなかで、イチゴが一番好きなので入れてほしいです」と元気にイラストの説明をしてくれました。
グランプリケーキは、クッキーやチョコレートクリームで作られたお菓子のオーブンに入って登場。このオーブンに興味深々の由香ちゃんが一枚つまみ食いするシーンもあり、会場はあたたかな笑いに包まれていました。
お菓子のオーブンから”夢のクリスマスケーキ”登場!
製作を担当した大橋 等さんは「星やハートを散りばめて女の子が喜んでくれそうな色や形のものでケーキの楽しさを表現しました。チキンの焼き加減に悩んだのですが、由香ちゃんの好きなミルクチョコにココアパウダーを混ぜて焼き立て感やチキンの質感を表しました。“チキンのケーキ”ははじめて作ったので、試行錯誤しました」とコメント。
家族といとこのお姉ちゃんと食べたい、と語っていた由香ちゃん。会場に来ていた、いとこのお姉さんと弟さんと一緒に終始嬉しそうにケーキを食べていました。「チョコとイチゴが美味しいです!」と元気いっぱい伝えると、大橋パティシエもニッコリ。弟さんは、試食の時間が終わっても「まだ食べたい!」と名残惜しそうな様子。お母さんがちょっと恥ずかしそうになだめていて、いつもの家族だんらんが垣間見えるシーンも。
由香ちゃんは授賞式後、「受賞できると思っていなかったので、お母さんから聞いたときに『ビックリ!本当に!?』と聞いちゃいました。とても嬉しかったです」と笑顔で振り返ってくれました。
取材後記
子供たちのアイデアから生まれたクリスマスケーキ、プロのみなさんから見ていかがでしたでしょうか?
ちょっと無茶ぶり?とも思えるスケッチからケーキを作った担当パティシエたちも、子供たちの反応を見るまでは落ち着かない様子でした。
受賞したみなさんにお話を聞いてみると、やっぱりクリスマスケーキは1年の中でも特別なもの。
クリスマスがやってくるのを心待ちにしているようでした。
子供たちの“こんなケーキがあったらいいな”を実現する本コンテスト。特設サイトには今回ご紹介したケーキ以外にも、応募作品がたくさん公開されていますので、興味があればぜひのぞいてみてくださいね。